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カリフォルニア・ナパヴァレーで畑の格付けをしたら、間違いなくグラン・クリュとなる畑がト・カロン・ヴィンヤード(To Kalon Vineyard)だ。ロバート・モンダヴィ・ワイナリーのフラッグシップ「カベルネ・ソーヴィニヨン・リザーヴ」の背骨を貫く銘醸畑の魅力について、モンダヴィを所有するコンステレーション・ブランズのエデュケーター、マーク・デ・ヴィアMWがプロモーションで来日して語った。
ト・カロン・ヴィンヤードはナパヴァレーのハイウェイ29号を、ヨーントヴィルからオークヴィルに北上し、西側に見える「ようこそ、世界的に有名なワイン産地ナパヴァレーへ」という看板の後ろから、北はモンダヴィ・ワイナリーの後背地までに広がる。栽培面積は274ha。
1868年、HWクラブが約97haを購入し、最初はイタリアのレフォスコを植えたが、やがてカベルネ・ソーヴィニヨンに適していることに気づいた。その後、畑は拡大し、所有者は変わった。ロバート・モンダヴィが1966年、オークヴィルにワイナリーを築いたのは、ト・カロンの可能性に気づいていたからだ。「素晴らしい歴史と、理想的な土壌と気象条件を備えた畑が宝物に見えた」と語ったという。現在は182haを所有する。そのほかの所有者はジョイント・ヴェンチャーを組んだオーパスワン、ファー・ニエンテ、デタート、アンディ・ベックストファーら6社。
モンダヴィは1988年と1994年に「To Kalon」と「To Kalon Vineyard」の商標権をそれぞれ取得した。栽培家ベックストファーのブドウを使うシュレーダー・セラーズが「トカロン」を名乗るワインを発売したため、訴訟合戦となり、最終的に和解してベックストファーも「トカロン」の名前を使えるようになった。ベックストファーのブドウはポール・ホブス、シュレーダー・セラーズらが購入して畑名表示ワインとして生産し、パーカーポイント100点を連発してきた。デ・ヴィアMWは「ベックストファーはトン当たり3万から4万5000ドルでブドウを販売している。平均的なナパのブドウの4倍以上だ」と語る。簡単には買えない。
ト・カロンが卓越している理由は何か?デ・ヴィアMWは「マヤカマス山脈から流れてきた小川が形成する沖積扇状地のため水はけがいい。サン・パブロ湾から吹く海風がブドウに酸と自然なバランスをもたらす。強い酸があり、ブラックベリー系のアロマを持つ。北のラザフォードベンチはよりセイバリーになる。ト・カロンはだれもが所有したいと願う優れた畑だ」と解説する。
「ロバート・モンダヴィ カベルネ・ソーヴィニヨン・リザーヴ 2014」(Robert Mondavi Winery Cabernet Sauvignon Reserve 2014)はト・カロンのブドウに、少量のスタッグス・リープのワッポ・ヒル・ヴィンヤードをブレンドした。カベルネ・ソーヴィニヨン93%、カベルネ・フラン6%、プティ・ヴェルド1%。ブラックカラント、黒鉛、木炭、明るい果実、生き生きした酸があり、砕いた火山岩のミネラル感。凝縮していて、分厚いミッドパレット、タバコ、活力のあるフィニッシュ。20-30年は保つ熟成力を備える。2万3330円。94点。
「リザーヴは力強いが、フレッシュ感を備えていて、重さがない。畑の特色を反映していて、ぶれがない」と、デ・ヴィアMWは語る。
輸入元はメルシャン。
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