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日本の2016年シャンパーニュ輸入、ロゼとプレスティージュ人気が続く

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 日本の2016年のシャンパーニュ輸入量は、1090万本と前年比7.2%の減少となったが、金額は2億5300万ユーロで3%増加し、過去最高を記録した。来日したシャンパーニュ委員会のヴァンサン・ペラン事務局長によると、量が減ったのは2015年に輸入したストックが消化しきれなかったためで、ロゼとプレスティージュキュヴェの人気によって金額は増えた。
 2016年の世界出荷量は3億603万本で前年比2.1%減。出荷額は47億1000万ユーロで0.6%減だった。フランスが量的に減少傾向にあり、EUは横ばい、米国やアジア・オーストラリアの伸びがこれらを補っている。
 日本のシャンパーニュ輸入量はリーマンショックによって2009年に大きく落ち込んだが、2010年以降は右肩上がり。2010年の750万本から5年間で430万本も増えて、2015年には1180万本と過去最高を記録したが、2016年はやや減少した。この原因について、ペラン事務局長は「踊り場状態にある。税関の統計と消費者が消費する数字は異なる。2015年に多めに入れたストックが消費できなかったと見ている。今年7月の時点の予想では、2017年は盛り返す見込み」と述べた。
 一方、輸入額は2010年の1億3300万ユーロから5年間で80%以上増えて、2015年には2億4500万ユーロに達し、2016年には2億5300万ユーロと史上最高を記録した。これを支えているのがロゼとプレスティージュキュヴェの人気。2016年の輸入量はロゼが12%、プレスティージュが10.9%。ノンヴィンテージは66.2%にとどまる。10本のうち1本がロゼで、1本がプレスティージュという計算になる。輸入額はロゼが12.6%、プレスティージュが28.6%にのぼり、ノンヴィンテージは49.6%にとどまる。
 「日本は世界平均と比べても、ロゼとプレスティージュの比率が高い。シャンパーニュの生産量は増やせない。戦後は量の拡大が続いてきたが、現在は金額を伸ばす段階に入っている」とペラン事務局長。
 また、日本に輸入されている生産者の内訳は、メゾン167、レコルタン・マニピュラン316、協同組合21の計504。レコルタンが多いのが特色で、英国の200、米国の283を上回る。ただ、輸入数量と金額はメゾンが圧倒的に多く、量で88.9%、金額で90.8%を占め、レコルタン・マニピュランはそれぞれ6.0%、4.1%にとどまる。
 2017ヴィンテージについては、春の遅霜で25%が被害を受けた。収穫期が雨がちで、8月26日に収穫が解禁され、9月に入ってから一気に加速し、ブドウの腐敗と戦いながら短期間で終わった。「平均収量は9000から9500キロにとどまった。規定収量のヘクタール当たり1万800キロに達しない農家も多く、リザーヴワインからの取り崩しを迫られた。腐敗果を取り除いたブドウの出来はいい」という。
日本向けの出荷量と金額の推移 (C)CIVC
2016年の日本向け出荷の種類別割合 (C)CIVC
2016年の日本向け出荷の業態別割合 (C)CIVC
シャンパーニュ委員会のヴァンサン・ペラン事務局長

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