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魚介類に合うワインと言えば、シャブリやアシルティコが思い浮かぶが、アルバリーニョも忘れてはいけない。ポルトガル北西部から、スペイン北西部のガリシアにかけて、世界でトップクラスのアルバリーニョが生まれている。日本でも新潟で高品質のアルバリーニョが登場している。もっと注目すべき品種だ。
ポルトガル北西部のミーニョ地方で産するヴィーニョ・ヴェルデは今、世界から注目を集めている。センスのいいソムリエがバイ・ザ・グラスに使っている。微発砲に仕立てる気楽なワインが多い中で、シリアスなスティルワインも造られている。ジョアン・カブラル・アルメイダの「カメレオン」は、ミーニョ地方からアルバリーニョ100%で造られる。
「ジョアン・カブラル・アルメイダ カメレオン アルバリーニョ 2016」(Joao Cabral de Almeida Camaleao Alvarinho 2016)は最初から塩みが強く、ほろ苦い。貝殻をこすり合わせたようなミネラル感、ジャスミン、ライムの皮、エストラゴン、果実はまろやかで、ピンと張った酸が広がり、生き生きとしている。フレッシュ感を伴なう緊張感がフィニッシュまで持続し、口中をリフレッシュしてくれる。アルコール度10%。軽やかなタッチだが、骨組みはある。カキフライに最高に合う。実売価格は2000円前後。恐るべきお値うち。90点。
アルメイダはリスボン大学で醸造学の教授をしていたが、若手ワイン生産者グループ「ヤング・ワインメーカーズ」の一員で、コンサルタントもしている。低温発酵とスキンコンタクトで、微発砲も補糖もないモダンなアルバリーニョのスタイルを築いたアンセルモ・メンデスの弟子だ。アルバリーニョはシャブリより細身で、アシルティコほど酸が強くない。ミュスカデより果実の厚みがあり、硬質なミネラル感を備える。
南北に長いポルトガルの西部は、魚料理がよく食べられる。アルバリーニョは和食と接点の多い白ワイン。雨量の多い日本にも適していて、新潟で秀逸なワインが生産されている。探索し甲斐がある。
輸入元はオーデックス・ジャパン。
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