世界の最新ワインニュースと試飲レポート

MENU

  1. トップ
  2. 記事一覧
  3. モンラッシェ手がける造り手のお値打ちクレマン

モンラッシェ手がける造り手のお値打ちクレマン

  • FREE
 シャンパーニュに代わるスパークリング探しは難しい。

 カバの多くは粗くて、ゴムのような香りがある。果汁の扱いが雑で、セラーの温度管理が悪いせいだという。カリフォルニアのトップはいい。シュラムスバーグやロデレール・エステートは、細部のチューニングが行き届いている。ただ、安くない。フランチャコルタもシャンパーニュ並みの価格だ。

 日本で手に入りやすいのは、クレマン・ド・ブルゴーニュ。世界的な需要の高まりで、輸出量も増えている。多くのドメーヌが手がけるが、コストパフォーマンスの高いものは見つからない。瓶熟成は専門業者に任せているから、ポイントはブドウと醸造だ。スティルワインがいい造り手は、クレマンももちろんいい。

 最近飲んで気に入ったのが、アミオ・ギィ・エ・フィス。シャサーニュ・モンラッシェに本拠を置く造り手、多くの1級とともに、0・09ヘクタールのモンラッシェも手がける。安定した造り手だ。

 シャルドネとピノ・ノワールだけでなく、アリゴテをブレンドしている。シャルドネとピノだと、どうしても重くなる。あるいは熟しすぎの感じがある。シャンパーニュだとそうはならないのに、クレマン・ド・ブルゴーニュの多くからそう感じる。ブドウが良くないのか、絞りすぎなのか。この造り手のバランスがいいのは、アリゴテとピノ、シャルドネを等分にブレンドしているせいだろう。酸の強さとミネラル感がある。ドザージュが少ないわけではないが、キリッとした味わいに仕上がっている。

 ブシャール・ペール・エ・フィスの醸造責任者フィリップ・プロは「栽培農家がクレマンに使う未熟なブドウを買わないのが大切」と話していたが、このクレマンのブドウは熟していながら、酸もきちんと保たれている。もっともアミオ・ギィの栽培ではなく、購入したブドウのようだが。

 これが市場で3000円以内で買えれば、十分にシャンパーニュの代わりになる。熟成年数が長くないため、複雑さには欠けるが、ピュアな果実とミネラル感があるのが何よりだ。

 ストッパーで栓をして、3回にわたって飲んだが、さほど衰えることもなく、緊張感を保っていた。お値打ちだ。

(2013年11月 自宅で)
アミオ・ギィ・エ・フィス クレマン・ド・ブルゴーニュ NV
輸入元:ラック・コーポレーション
希望小売価格・3500円
月に一度は飲みたい度:85点

購読申込のご案内はこちら

会員登録(有料)されると会員様だけの記事が購読ができます。
世界の旬なワイン情報が集まっているので情報収集の時間も短縮できます!

Enjoy Wine Report!! 詳しくはこちら

TOP