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シチリアの名門タスカ・ダルメリータ傘下で着品種と国際品種の両方に取り組む「サリエ・ド・ラ・トゥール」のブランド・マネジャー、コスタンツァ・キリヴィーノが来日し、ワイン造りのビジョンを披露した。
サリエ・ド・ラ・トゥールはピエモンテ出身の名門貴族が18世紀から所有し、1909年から1世紀以上にわたりワイン造りをしてきた。コスタンツァの祖父パオロは醸造と栽培の両面で改革を進め、叔父が輸出を始めた。タスカ・ダルメリータを率いるアルベルト・タスカがコスタンツァの母と姻戚関係にあった縁で、2009年にタスカ・ダルメリータと提携を始めた。パレルモ郊外のモンレアーレに本拠を置き、77ヘクタールの敷地のうち44ヘクタールがブドウ畑。なだらかな傾斜があり、標高は270-300メートル。日照に恵まれ、水源が豊かなのが特色。
土着品種は白ブドウのインツォリア、グリッロ、シチリアの魂というべきネロ・ダヴォラを手掛け、シラーにも力を入れている。中でも、「シラー ラ・モナカ DOCモンレアーレ」はフラッグシップとして、世界で知られている。シチリアに思い入れの深い日高良実シェフのリストランテ「アクアパッツァ」が素材や味付けにシチリアのタッチを加えた料理を供した。
「サリエ・ド・ラ・トゥール インツォリア シチリアDOC 2015」(Sallier de La Tour Inzolia Sicilia DOC 2015)はグレープフルーツの皮、レモンチェッロ、バジル、生き生きしていて、コンパクトな果実がギュッと詰まっている。わずかな残存ガスによってリフレッシュさせられ、アプローチャブル。冷たい前菜にぴったりのイージー・ドリンキングなライトボディ。2000円。85点。
インツォリアはシチリアでは、食前にもよく飲まれる気軽な白ワイン。これは10日間のシュールリーが若々しさと複雑性をもたらしている。シチリア人は魚介、豆類、ハーブを使う料理を好む。蒸した蝦夷鮑と枝豆の冷製フェデリーニにバジリコを添えたプリモピアットにはぴったりだった。ミュスカデをよりフルーティにした感じで、和食のほろ苦さを生かした野菜料理とも合いそうだ。お手頃なので毎日でも飲める。
「サリエ・ド・ラ・トゥール グリッロ シチリアDOC 2015」(Sallier de La Tour Grillo Sicilia DOC 2015)はオレンジの花、レモンの皮のシロップ漬け、アーモンド、セージ、しっかりした酸味とぽってりした果実があり、骨太なストラクチャー。フェノリックなグリップを伴うフィニッシュは、ナッティ、わずかにスパイシーで、火を入れた黄色のズッキーニの香りが広がる。2000円。86点。
グリッロはマルサラの原料に使われる品種だが、早摘みしたフレッシュな辛口もよく飲まれる。糖度が高くなっても酸を保てる品種。キャリアの長い収穫人を雇って、熟しすぎない段階で、早朝に摘んで、快活な柑橘系のアロマを保っているという。松の実、干しブドウ、オレンジを使った秋刀魚のコンフィのシチリア風パン粉焼きは、ワインにあるオレンジの香りやほろ苦さ、ナッティな風味とよく合った。これも和食の焼き魚とはよさそうだ。お買い得。
シラーはシチリアで、ネロ・ダヴォラに続いて栽培面積の広い黒ブドウ。シラーの起源は北部ローヌという説が有力だが、シチリアのシラキュースにも紀元前4世紀にエジプトから伝わっていた。今では新世界でも盛んに栽培されるが、サリエ・ド・ラ・トゥールも長い歴史に支えられ、可能性を追求している。
「サリエ・ド・ラ・トゥール シラー シチリアDOC 2014」(Sallier de La Tour Syrah Sicilia DOC 2014)はアーシーで、桑の実、ドライトマト、煮たオレンジの皮、果実はしなやかで、ミンティなタッチ。ジューシーで、アプローチャブル。濃厚なドライトマトの風味を生かしたカポナータの中で溺れる「真蛸のアッフォガート」と相性がよかった。2000円。86点。
「サリエ・ド・ラ・トゥール シラー ラ・モナカ モンレアーレDOC 2014」(Sallier de La Tour Syrah La Monaca Monreale DOC 2014)は、ブラックベリー、スモーク、木炭、洗練されたタンニンとピュアな果実が前に出ていて、ほのかにメントールとバルサミコのタッチ。18か月間熟成したフレンチオークがまだ統合されていないが、凝縮した果実のポテンシャルはある。1993年に植えた古木のブドウから。4500円。90点。
生産量は37万本。現在は生産量が約6000本のシラー ラ・モナカのみサリエ・ド・ラ・トゥールの敷地内で仕込んで、残りはタスカ・ダルメリータで詰めている。将来はすべてをモンレアーレで仕込む予定。コスタンツァは若いが、大学でコミュニケーションを学び、プレゼンテーションにたけている。イタリアには女性当主が増えているが、素養は十分にある。
輸入元はアルカン。
サリエ・ド・ラ・トゥールはピエモンテ出身の名門貴族が18世紀から所有し、1909年から1世紀以上にわたりワイン造りをしてきた。コスタンツァの祖父パオロは醸造と栽培の両面で改革を進め、叔父が輸出を始めた。タスカ・ダルメリータを率いるアルベルト・タスカがコスタンツァの母と姻戚関係にあった縁で、2009年にタスカ・ダルメリータと提携を始めた。パレルモ郊外のモンレアーレに本拠を置き、77ヘクタールの敷地のうち44ヘクタールがブドウ畑。なだらかな傾斜があり、標高は270-300メートル。日照に恵まれ、水源が豊かなのが特色。
土着品種は白ブドウのインツォリア、グリッロ、シチリアの魂というべきネロ・ダヴォラを手掛け、シラーにも力を入れている。中でも、「シラー ラ・モナカ DOCモンレアーレ」はフラッグシップとして、世界で知られている。シチリアに思い入れの深い日高良実シェフのリストランテ「アクアパッツァ」が素材や味付けにシチリアのタッチを加えた料理を供した。
「サリエ・ド・ラ・トゥール インツォリア シチリアDOC 2015」(Sallier de La Tour Inzolia Sicilia DOC 2015)はグレープフルーツの皮、レモンチェッロ、バジル、生き生きしていて、コンパクトな果実がギュッと詰まっている。わずかな残存ガスによってリフレッシュさせられ、アプローチャブル。冷たい前菜にぴったりのイージー・ドリンキングなライトボディ。2000円。85点。
インツォリアはシチリアでは、食前にもよく飲まれる気軽な白ワイン。これは10日間のシュールリーが若々しさと複雑性をもたらしている。シチリア人は魚介、豆類、ハーブを使う料理を好む。蒸した蝦夷鮑と枝豆の冷製フェデリーニにバジリコを添えたプリモピアットにはぴったりだった。ミュスカデをよりフルーティにした感じで、和食のほろ苦さを生かした野菜料理とも合いそうだ。お手頃なので毎日でも飲める。
「サリエ・ド・ラ・トゥール グリッロ シチリアDOC 2015」(Sallier de La Tour Grillo Sicilia DOC 2015)はオレンジの花、レモンの皮のシロップ漬け、アーモンド、セージ、しっかりした酸味とぽってりした果実があり、骨太なストラクチャー。フェノリックなグリップを伴うフィニッシュは、ナッティ、わずかにスパイシーで、火を入れた黄色のズッキーニの香りが広がる。2000円。86点。
グリッロはマルサラの原料に使われる品種だが、早摘みしたフレッシュな辛口もよく飲まれる。糖度が高くなっても酸を保てる品種。キャリアの長い収穫人を雇って、熟しすぎない段階で、早朝に摘んで、快活な柑橘系のアロマを保っているという。松の実、干しブドウ、オレンジを使った秋刀魚のコンフィのシチリア風パン粉焼きは、ワインにあるオレンジの香りやほろ苦さ、ナッティな風味とよく合った。これも和食の焼き魚とはよさそうだ。お買い得。
シラーはシチリアで、ネロ・ダヴォラに続いて栽培面積の広い黒ブドウ。シラーの起源は北部ローヌという説が有力だが、シチリアのシラキュースにも紀元前4世紀にエジプトから伝わっていた。今では新世界でも盛んに栽培されるが、サリエ・ド・ラ・トゥールも長い歴史に支えられ、可能性を追求している。
「サリエ・ド・ラ・トゥール シラー シチリアDOC 2014」(Sallier de La Tour Syrah Sicilia DOC 2014)はアーシーで、桑の実、ドライトマト、煮たオレンジの皮、果実はしなやかで、ミンティなタッチ。ジューシーで、アプローチャブル。濃厚なドライトマトの風味を生かしたカポナータの中で溺れる「真蛸のアッフォガート」と相性がよかった。2000円。86点。
「サリエ・ド・ラ・トゥール シラー ラ・モナカ モンレアーレDOC 2014」(Sallier de La Tour Syrah La Monaca Monreale DOC 2014)は、ブラックベリー、スモーク、木炭、洗練されたタンニンとピュアな果実が前に出ていて、ほのかにメントールとバルサミコのタッチ。18か月間熟成したフレンチオークがまだ統合されていないが、凝縮した果実のポテンシャルはある。1993年に植えた古木のブドウから。4500円。90点。
生産量は37万本。現在は生産量が約6000本のシラー ラ・モナカのみサリエ・ド・ラ・トゥールの敷地内で仕込んで、残りはタスカ・ダルメリータで詰めている。将来はすべてをモンレアーレで仕込む予定。コスタンツァは若いが、大学でコミュニケーションを学び、プレゼンテーションにたけている。イタリアには女性当主が増えているが、素養は十分にある。
輸入元はアルカン。
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