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3つのロスチャイルド家が協力して造るシャンパーニュ「バロン・ド・ロスチャイルド」のプロモーションのため、シャンパーニュ・バロン・ド・ロスチャイルド社CEOのフィリップ・セレイ・ド・ロスチャイルド氏とマネージング・ディレクターのフレデリック・メレス氏が来日した。
このシャンパーニュは、ムートン・ロスチャイルドを所有するバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社、ラフィット・ロスチャイルドを所有するドメーヌ・バロン・ド・ロスチャイルド社、クラーク・ロスチャイルドを所有するバロン・エドモンド・ド・ロスチャイルド社がジョイント・ヴェンチャーを設立した。
ブリュット、ロゼ、ブラン・ド・ブランの3種がある。2005年に収穫し、翌年に初めてのアッサンブラージュ作業を行った。09年6月に日本で世界デビューしたが、当時より品質が向上している。60%シャルドネ、40%ピノ・ノワールのブリュットはより正確でピントの合った味わいとなり、ロゼにはフィネスが増し、ブラン・ド・ブランはシャープさと繊細さが増した。ファイン・チューニングの結果だ。
その一つは品種。ピノ・ムニエを使わなくなり、シャルドネとピノ・ノワールのみで造る。使うのは一番絞りのキュヴェのみ。ドザージュ(糖分添加)もリットル当たり5~6グラムと少量。リザーヴワインの割合は40%とかなり多い。これは生産を続けてきた成果だ。所有する畑は1ヘクタールのみだが、使うブドウ畑65ヘクタールのグランクリュ比率は約70%にのぼるという。
メレス氏は「65ヘクタール中コート・デ・ブラン地区は40%。メニル、クラマン、オジェ、アヴィーズの順にブドウが多い、シュイィやトレパイユからも購入している。ピノ・ノワールはモンターニュ・ド・ランス地区のアイ、ヴェルズネイ、ヴェルジィ、アンボネのほか、マレイユ・シュール・アイやリュードも。シャルドネのフレッシュさをベースに、ドザージュも絞っている」と。
46歳のメレス氏はMBAを持つやり手。ランソンでキャリアを始め、マム、ペリエ・ジュエを経て、LVMH傘下のリュイナール、ヴーヴ・クリコの幹部として働き、ポール・ジャブレとシャトー・ラ・ラギューヌの社長を務めた。醸造責任者のジャン・フィリップ・ムーランはシャンパーニュ委員会の技術責任者を務めた有能な人物。ボルドーのトップシャトーを率いるロスチャイルド一族らしく、人材と設備にはお金を惜しまない。
ヴェルテュのセラーには区画にあわせた30~60ヘクトリットルの小型ステンレス発酵槽が立ち並び、ロゼのブレンドに使うためのヴェルズネイの赤ワインを醸造するタンクもある。ボルドーの流儀にならって、選果台も備える念の入りようだ。
ムートン・ロスチャイルドとシャンパーニュの関係は深い。1級昇格を実現したフィリップ男爵が、ジョセフ・アンリオと親交が深かったため、戦後、アンリオはバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドというキュヴェを年間1500本程度生産していた。87年からは生産を中止していたが、今回のプロジェクトでシャンパーニュ造りが復活した。
フィリップ・セレイはフィリピーヌ・ド・ロスチャイルド男爵夫人の長男。今回のプロジェクトを実質的に切り回した。21年ぶりに来日した。
「一族の産品であることと、品質の高さにこだわった。パッケージに始まり、様々な議論をしてまとめ上げた。それぞれが意見を持っていて、調整するのは大変だった。今でも、母のいとこのエリック(ラフィットのオーナー)が、飲んだ感想を寄せてきたりする。ロスチャイルド家のシャトーでの晩餐会、ロスチャイルド銀行での公式晩餐会などで、すべてこのシャンパーニュが使用される」
東京・広尾の天ぷら「ねぎ坊主」で、シャンパーニュと天ぷらを合わせる昼食会の趣向で、2人がプロモーションした。キリッとしたシャンパーニュと天ぷらの相性は抜群。魚やエビ、カキにはブリュットやブラン・ド・ブランが、シイタケにはロゼが良くあった。
問い合わせはエノテカ。
このシャンパーニュは、ムートン・ロスチャイルドを所有するバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社、ラフィット・ロスチャイルドを所有するドメーヌ・バロン・ド・ロスチャイルド社、クラーク・ロスチャイルドを所有するバロン・エドモンド・ド・ロスチャイルド社がジョイント・ヴェンチャーを設立した。
ブリュット、ロゼ、ブラン・ド・ブランの3種がある。2005年に収穫し、翌年に初めてのアッサンブラージュ作業を行った。09年6月に日本で世界デビューしたが、当時より品質が向上している。60%シャルドネ、40%ピノ・ノワールのブリュットはより正確でピントの合った味わいとなり、ロゼにはフィネスが増し、ブラン・ド・ブランはシャープさと繊細さが増した。ファイン・チューニングの結果だ。
その一つは品種。ピノ・ムニエを使わなくなり、シャルドネとピノ・ノワールのみで造る。使うのは一番絞りのキュヴェのみ。ドザージュ(糖分添加)もリットル当たり5~6グラムと少量。リザーヴワインの割合は40%とかなり多い。これは生産を続けてきた成果だ。所有する畑は1ヘクタールのみだが、使うブドウ畑65ヘクタールのグランクリュ比率は約70%にのぼるという。
メレス氏は「65ヘクタール中コート・デ・ブラン地区は40%。メニル、クラマン、オジェ、アヴィーズの順にブドウが多い、シュイィやトレパイユからも購入している。ピノ・ノワールはモンターニュ・ド・ランス地区のアイ、ヴェルズネイ、ヴェルジィ、アンボネのほか、マレイユ・シュール・アイやリュードも。シャルドネのフレッシュさをベースに、ドザージュも絞っている」と。
46歳のメレス氏はMBAを持つやり手。ランソンでキャリアを始め、マム、ペリエ・ジュエを経て、LVMH傘下のリュイナール、ヴーヴ・クリコの幹部として働き、ポール・ジャブレとシャトー・ラ・ラギューヌの社長を務めた。醸造責任者のジャン・フィリップ・ムーランはシャンパーニュ委員会の技術責任者を務めた有能な人物。ボルドーのトップシャトーを率いるロスチャイルド一族らしく、人材と設備にはお金を惜しまない。
ヴェルテュのセラーには区画にあわせた30~60ヘクトリットルの小型ステンレス発酵槽が立ち並び、ロゼのブレンドに使うためのヴェルズネイの赤ワインを醸造するタンクもある。ボルドーの流儀にならって、選果台も備える念の入りようだ。
ムートン・ロスチャイルドとシャンパーニュの関係は深い。1級昇格を実現したフィリップ男爵が、ジョセフ・アンリオと親交が深かったため、戦後、アンリオはバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドというキュヴェを年間1500本程度生産していた。87年からは生産を中止していたが、今回のプロジェクトでシャンパーニュ造りが復活した。
フィリップ・セレイはフィリピーヌ・ド・ロスチャイルド男爵夫人の長男。今回のプロジェクトを実質的に切り回した。21年ぶりに来日した。
「一族の産品であることと、品質の高さにこだわった。パッケージに始まり、様々な議論をしてまとめ上げた。それぞれが意見を持っていて、調整するのは大変だった。今でも、母のいとこのエリック(ラフィットのオーナー)が、飲んだ感想を寄せてきたりする。ロスチャイルド家のシャトーでの晩餐会、ロスチャイルド銀行での公式晩餐会などで、すべてこのシャンパーニュが使用される」
東京・広尾の天ぷら「ねぎ坊主」で、シャンパーニュと天ぷらを合わせる昼食会の趣向で、2人がプロモーションした。キリッとしたシャンパーニュと天ぷらの相性は抜群。魚やエビ、カキにはブリュットやブラン・ド・ブランが、シイタケにはロゼが良くあった。
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