バローロ・ボーイズの代表格ドメニコ・クレリコが死去

　イタリア・ピエモンテのバローロ・ボーイズのトップ生産者と言われたドメニコ・クレリコが16日、亡くなった。67歳だった。がんと闘っていた。
　クレリコは1950年、モンフォルテ・ダルバの栽培農家に生まれた。地元の組合や生産者にブドウを売っていたが、1976年に父の畑を継承して本格的にワイン生産をスタート。エリオ・アルターレやブローカーのマルク・ディ・グラツィアらから教わり、独学でワイン造りを習得した。当初は大樽で醸造していたが、ブルゴーニュを訪問して学び、1990年には100%フレンチ・バリックで熟成させるスタイルに移行した。ルチアーノ・サンドローネ、パオロ・スカヴィーノ、ロベルト・ヴォエルツィオらと並ぶモダン派の代表と見なされたが、その後はマセラシオンの期間を長くし、大樽も導入するなど、伝統派の手法に接近。伝統派と現代派をつなぐ存在だった
　4ヘクタールから21ヘクタールに畑を拡大。パヤナ、チャボ・メンティン、モスコーニ、アエロプラン・セルヴァイなどのクリュから、単一畑の個性を表現する卓越したバローロを生産した。