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深刻な霜害もたらす気候変動、ヴィネクスポで専門家が討論

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 フランスを中心にヨーロッパ各地が霜害に襲われる中で、6月18日から開かれる「ヴィネクスポ 2017」の初日に、米国のオバマ前大統領補佐官らが出席して、気候変動がワイン産業に与えるインパクトについて討論する。
 この討論会は「ファイア・アンド・レイン:気候変動とワイン産業」と名付けられ、オバマ前大統領の科学技術担当補佐官のジョン・ホルドレン、ボデガ・トーレス当主のミゲル・A・トーレス、ピエモンテのアンジェロ・ガヤの娘であるガイア・ガヤ、元駐オーストリア米国大使のキャサリン・ホールがパネリストを務める。トーレスとガイアは生産者として地球温暖化に取り組んできた。ホールはナパヴァレーのワイナリー、ホール当主のグレッグ・ホールの夫人でもある。ホルドレンはエネルギーと気候変動について多くの著書があるハーバード大の学者。
 討論会では、気候変動に伴うワイン産地の減少とそれに伴うインパクトなどが話し合われる。現在のワイン産地の73%が2050年までに失われると試算されている。1980年代以来、地球の平均温度は約1度上昇しており、これがブドウ樹の生育サイクルを早めている。その結果、春の霜害に見舞われるリスクが増している。、
 ボルドーは4月27日に1991年以来という大規模な霜害に見舞われ、収穫量が半減する可能性もある。ブルゴーニュが、2016年に霜害で生産量を大きく減らしたのは記憶に新しい。ブルゴーニュでは、1940年代には10月半ばに収穫されていたのが、現在は9月に早まっている。シャンパーニュでも、糖度が上昇する半面で、2016年も2017年も温暖な南部オーブ県が霜害に襲われた。
 地球温暖化は熱帯低気圧の増加などをもたらし、各国に大雨をもたらす。2016年のチリとアルゼンチンは、エルニーニョの影響で生産量が減った。
 ヴィネクスポCEOのギョーム・デグリーズは「気候変動は、平均気温のほんのわずかな変化だとしても、世界のワイン生産者に深刻な問題となる。それに伴う降雨は生産に大きく影響している」とコメントしている。
 討論会は、米ワイン・スペクテーターのシニア・エディター、ダナ・ニグロが司会を務める。
(C)NASA

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