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ウェリントンで開会中の「ピノ・ノワール ニュージーランド 2017」のメイン行事となる、偉大なピノ・ノワールを探る国際的な試飲会で、大橋健一MWが2日、ジャンシス・ロビンソンMWらトップ・パネリストと席を並べてプレゼンテーションを行い、「偉大なピノ・ノワールには透明感がある」との自説を披露し、大勢のマスター・オブ・ワインやマスター・ソムリエを含む世界のトッププロ約600人から拍手で歓迎された。
このパネル・ディスカッションでは「偉大さの探求 国際的なピノ・ノワール試飲会」と題して、4人のパネリストが2本のピノ・ノワールを紹介し、品質と偉大さのエッセンスを説明した。
大橋MWは「偉大なピノ・ノワールには、最高品質のプレミアム・ウォーターが備える透明感がある」と、日本人的な観点から、偉大なピノ・ノワールの特性を規定した。そのための手法として、過剰な硫黄化合物、樽、過熟、抽出のしすぎなどを避けるべきだと主張した。「透明性とは、ピュアなアロマとパレット、調和のとれたアロマとパレットに焦点を合わせたフィニッシュ、静けさと控えめなセンセーション」と説明し、「プレミアム・ウォーターの最高品質とは、強烈すぎる主張をせず、軟水のスムーズさと硬水のミネラル感を備える」と表現した。
プレゼンテーションの根底にあったのは、ミネラル感の存在が透明感を強調するという概念。「ミネラル感は、何かしらの酸、そしてフェノール化合物、時にはサイオリック化合物(硫黄を末端に持つ有機化合物)などからも感じられる洗練されたチョーキーな感覚と定義したい。アロマとテクスチャーの品質を備える。微妙で、フリンティなアーシーネスであり、パレットでの刺激的な活力である。その存在こそが特にピノ・ノワールにとっては、透明感の演出に確実に貢献する」とその理由と共に丁寧に説明した。
最高の2本として、オーストラリア・ヤラヴァレーの「ドクター・メイヤー ピノ・ノワール ヤラ・ヴァレー 2014」とドイツ・アールの「マイヤー・ニッケル シュペートブルグンダー QbAトロッケン 2014」を紹介した。
パネリストは4人で、ほかにニュージーランド・カンタベリー北部の生産者ベル・ヒル当主のマルセル・ギーセン、オーストラリアのジャーナリスト、マイク・ベニー、英国のロビンソンMWが登壇した。ギーセンは新世界のワイン造りに影響を与えたカリフォルニアの師弟関係にある2人のワインメーカーの全房発酵によるワインを紹介し、ベニーはジャーナリスティックな視点から世界を眺めスイスとオーストラリアのやはり全房発酵を駆使する生産者を紹介。ロビンソンMWはブルゴーニュのミクロネゴスと冷涼なオーストラリア・タスマニアの生産者を紹介した。ロビンソンMWは多角的な視点で、会場から飛び出す難しい質問をさばき、大橋MWと共に試飲した北海道のドメーヌ・タカヒコに言及する場面もあった。
大橋MWとロビンソンMWの間には、クスダワイン当主の楠田浩之氏が突発事態用の通訳として座った。世界最高のピノ・ノワールの祭典で、司会のヘレン・マスターズ(アタ・ランギ)を含めた6人の登壇者うち2人が日本人という構図は、日本のワイントレードとワイン生産者が世界のトップ水準に到達したことを印象づけた。
大橋MWは最初は硬かったが、聴衆をバックにスマホでセルフィーするという大胆な行動に出て、会場の空気をつかんだ。水を説明するのに、金閣寺の画像や清流のイメージなどを盛り込んだパワーポイントを駆使して、20分間のスピーチを終え、大きな拍手で迎えられると、両腕を突き上げた。
聴衆の反応もよく、スピーチ後にMWの友人ら大勢の大物から声をかけられ、ニュージーランドのボブ・キャンベルMWは「私もこれからはワインの背後にある透明感に気を払う」と話していた。1年近い時間をかけて準備した大橋MWは「パネリストの顔ぶれから、日本人としての視点が求められていると考えた。自分の言いたいことを主張しながら、世界の人々にどうやったら理解してもらえるかというところに苦労した。そのために、海外の書物などを読んで考え方を学んだ」と話した。
パネリストが紹介したワインは以下の通り。
マルセル・ギーセン(ベルヒル)
オー・ボン・クリマ ピノ・ノワール ラーム・ド・グラップ サンタ・リタ・ヒルズ 2005
ドメーヌ・ド・ラ・コート ピノ・ノワール サンタ・リタ・ヒルズ ブルームス・フィールド 2014
マイク・ベニー(オーストラリアのジャーナリスト)
マイソピア イリュージョン ピノ・ノワール アルバス スイス 2013
マウント・プレザント ピノ・ノワール マザーヴァイン ハンター・ヴァレー オーストラリア 2014
大橋健一MW
ドクター・メイヤー ピノ・ノワール ヤラ・ヴァレー 2014
マイヤー・ニッケル シュペートブルグンダー QbAトロッケン アール ドイツ 2014
ジャンシス・ロビンソンMW
マーク・ハイスマ モレ・サン・ドニ プルミエクリュ レ・シャフォー 2013
トルパドル ピノ・ノワール コール・リヴァー・ヴァレー タスマニア 2015
このパネル・ディスカッションでは「偉大さの探求 国際的なピノ・ノワール試飲会」と題して、4人のパネリストが2本のピノ・ノワールを紹介し、品質と偉大さのエッセンスを説明した。
大橋MWは「偉大なピノ・ノワールには、最高品質のプレミアム・ウォーターが備える透明感がある」と、日本人的な観点から、偉大なピノ・ノワールの特性を規定した。そのための手法として、過剰な硫黄化合物、樽、過熟、抽出のしすぎなどを避けるべきだと主張した。「透明性とは、ピュアなアロマとパレット、調和のとれたアロマとパレットに焦点を合わせたフィニッシュ、静けさと控えめなセンセーション」と説明し、「プレミアム・ウォーターの最高品質とは、強烈すぎる主張をせず、軟水のスムーズさと硬水のミネラル感を備える」と表現した。
プレゼンテーションの根底にあったのは、ミネラル感の存在が透明感を強調するという概念。「ミネラル感は、何かしらの酸、そしてフェノール化合物、時にはサイオリック化合物(硫黄を末端に持つ有機化合物)などからも感じられる洗練されたチョーキーな感覚と定義したい。アロマとテクスチャーの品質を備える。微妙で、フリンティなアーシーネスであり、パレットでの刺激的な活力である。その存在こそが特にピノ・ノワールにとっては、透明感の演出に確実に貢献する」とその理由と共に丁寧に説明した。
最高の2本として、オーストラリア・ヤラヴァレーの「ドクター・メイヤー ピノ・ノワール ヤラ・ヴァレー 2014」とドイツ・アールの「マイヤー・ニッケル シュペートブルグンダー QbAトロッケン 2014」を紹介した。
パネリストは4人で、ほかにニュージーランド・カンタベリー北部の生産者ベル・ヒル当主のマルセル・ギーセン、オーストラリアのジャーナリスト、マイク・ベニー、英国のロビンソンMWが登壇した。ギーセンは新世界のワイン造りに影響を与えたカリフォルニアの師弟関係にある2人のワインメーカーの全房発酵によるワインを紹介し、ベニーはジャーナリスティックな視点から世界を眺めスイスとオーストラリアのやはり全房発酵を駆使する生産者を紹介。ロビンソンMWはブルゴーニュのミクロネゴスと冷涼なオーストラリア・タスマニアの生産者を紹介した。ロビンソンMWは多角的な視点で、会場から飛び出す難しい質問をさばき、大橋MWと共に試飲した北海道のドメーヌ・タカヒコに言及する場面もあった。
大橋MWとロビンソンMWの間には、クスダワイン当主の楠田浩之氏が突発事態用の通訳として座った。世界最高のピノ・ノワールの祭典で、司会のヘレン・マスターズ(アタ・ランギ)を含めた6人の登壇者うち2人が日本人という構図は、日本のワイントレードとワイン生産者が世界のトップ水準に到達したことを印象づけた。
大橋MWは最初は硬かったが、聴衆をバックにスマホでセルフィーするという大胆な行動に出て、会場の空気をつかんだ。水を説明するのに、金閣寺の画像や清流のイメージなどを盛り込んだパワーポイントを駆使して、20分間のスピーチを終え、大きな拍手で迎えられると、両腕を突き上げた。
聴衆の反応もよく、スピーチ後にMWの友人ら大勢の大物から声をかけられ、ニュージーランドのボブ・キャンベルMWは「私もこれからはワインの背後にある透明感に気を払う」と話していた。1年近い時間をかけて準備した大橋MWは「パネリストの顔ぶれから、日本人としての視点が求められていると考えた。自分の言いたいことを主張しながら、世界の人々にどうやったら理解してもらえるかというところに苦労した。そのために、海外の書物などを読んで考え方を学んだ」と話した。
パネリストが紹介したワインは以下の通り。
マルセル・ギーセン(ベルヒル)
オー・ボン・クリマ ピノ・ノワール ラーム・ド・グラップ サンタ・リタ・ヒルズ 2005
ドメーヌ・ド・ラ・コート ピノ・ノワール サンタ・リタ・ヒルズ ブルームス・フィールド 2014
マイク・ベニー(オーストラリアのジャーナリスト)
マイソピア イリュージョン ピノ・ノワール アルバス スイス 2013
マウント・プレザント ピノ・ノワール マザーヴァイン ハンター・ヴァレー オーストラリア 2014
大橋健一MW
ドクター・メイヤー ピノ・ノワール ヤラ・ヴァレー 2014
マイヤー・ニッケル シュペートブルグンダー QbAトロッケン アール ドイツ 2014
ジャンシス・ロビンソンMW
マーク・ハイスマ モレ・サン・ドニ プルミエクリュ レ・シャフォー 2013
トルパドル ピノ・ノワール コール・リヴァー・ヴァレー タスマニア 2015
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