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2003年に続くシャンパーニュの霜害、”気候保険”のリザーヴワインに救われる!?

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 シャンパーニュ地方の霜害は2003年に続く2番目の大きな規模だった。モンターニュ・ド・ランスの被害が深刻だったが、リザーヴワインのシステムがセーフティネットになって、生産量の減少から救える可能性がある。


 Vitisphereが伝えたシャンパーニュ委員会(CIVC)の技術サービス担当者の説明によると、霜害は3月15日、3月27日、4月2日の3回にわたり記録的に大規模だった。成育が平年より15-20日早く、作物の45%が霜害を受けた。最新の被害状況は5月に発表される予定。


 ワイン業界の専門メディア「Wine Insiders」がまとめた各地の被害時状況によると、芽の30%以上が破壊された面積はモンターニュ・ド・ランスが2500-3000ha、コート・デ・ブランが約1800ha、ヴァレ・ド・ラ・マルヌが約2000ha、オーブが約1500haとなっている。ブドウ畑全体で数千万キロのブドウが失われる可能性がある。

 

気候変動対策のお手本


 低地の斜面や涼しいくぼ地の畑の芽が深刻な霜害を受けている一方、風通しのよい斜面のぶどう樹は比較的耐性がある。成育の早いシャルドネが被害のかなりの割り合いを占め、ピノ・ノワールとムニエは日照条件によって被害の程度は低い。


 芽の破壊で収穫量が減少すると、人気のあるクリュでは価格への圧力が高まる。メゾンの初期のコメントによると、現在の被害が栽培シーズン全体に及ぶと、全体的な損失は8000万本から1億本に達する可能性がある。CIVCによると、ブドウの樹齢の上昇が収穫量をさらに減少させる可能性があるという。

 

 ただ、シャンパーニュはリザーヴワインの仕組みが気候保険の役割を果たしている。CIVCは長年、リザーヴワインの強化を推奨してきた。タンクやオーク樽で貯蔵されるリザーヴワインの総在庫は平均して1回から1.5回の収穫量に相当する。霜害のリスクを想定して5年を超す周期で備蓄されているボトルもセーフティネットとなっている。
 

 霜害、雹害や極端な寒さなどに耐えてきたシャンパーニュ地方は、厳しい気象に耐える準備がほかの地方より整っている。成育の早い時期から、霜害に対処するロウソク、散水装置、風力タービン、ヘリコプターなどの仕組みを準備している。コート・デ・ブランのある村では、1晩の霜害対策費用がヘクタールあたり1000ユーロを超すため、保護する優先区画を考慮している。


 CIVCは気象情報、収穫の可能性はもちろん、販売予測などの情報も提供している。メゾンや協同組合、グローワーもこれらのデータに基づいて、在庫の管理、ブドウ購入の契約、霜害や施設への投資などの経営戦略を決めている。


 霜害は不幸な出来事だが、気候変動が世界各地で加速する中で、シャンパーニュには各地の生産者が教訓にできる生産モデルが眠っているともいえる。


 

散水して芽を凍らせるセル・シュール・ウルスのChampagne Didier Langry Facebookから

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