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ボルドー・クラレットに公式認定、フルボディから軽快なスタイルに

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 冷やして楽しむ軽快な「ボルドー・クラレット」(Bordeaux claret)が、ボルドーの原産地呼称保護(PDO)で承認された。気候変動でアルコール度が上昇し、フルーティなワインが好まれる時代の変化に合わせて、中世の英国で好まれていた名称が復活する。2025ヴィンテージから販売される。


 中世のフランスで、ほとんどの赤ワインは短期間の発酵とマセラシオンにより造られる今日のロゼに近いスタイルだった。そうしたワインは英国に輸出されて、クラレットと呼ばれ、ボルドーの非公式な代名詞となった。フランスでもクラレットの呼び名は広がっていた。


 17世紀に入ると、ブドウを選別して醸造を工夫するようになり、色調の濃い高品質なワインが生まれた。18世紀には後の格付けシャトーになるワインの原型が生まれた。


消費者の嗜好に合わせて変化


 ボルドーワインは消費者の嗜好に合わせて変化してきた。1990年代以降は、しっかりと抽出してオーク樽で醸造する赤ワインが主流になった。世界的な影響力を誇ったロバート・パーカーのパーカー・ポイントを求めて、赤ワインのフルボディ化はますます進んだ。


 ところが、気候変動により赤ワインのアルコール度が14%を超すのが当たり前になり、白ワインが好まれるようになった。脱アルコールのワインすら生まれている。そうした流れの中で、既存のボルドー原産地呼称に紐付けられたクラレットは、タンニンが軽く、色調は淡く、アルコール度数も低い。


 マセラシオン期間を短かくして軽快に仕上げるクラレットはエレガントで、バランスがとれている。軽く冷やして、魚介類と合わせてカジュアルに楽しめる。汎用性が高い。フレッシュ感を求める消費者のパレットに適合している。格付けシャトーほど高価でもない。


 赤ワインの消費が減り、売り上げが減っているボルドーではブドウ樹の引き抜きが進んでいる。ペットナットが人気を集めるように、クラレットの復活は時代を映しているとも言える。

英国の高級スーパー「Waitrose」で売られているクラレット

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