ムートン2014、英国のデイヴィッド・ホックニー採用

　2014年のシャトー・ムートン・ロートシルトのアーティストラベルに、英国を代表する画家のデイヴィッド・ホックニーの作品が採用された。
　ホックニーは1937年生まれ。アンディ・ウォーホールや俳優のデニス・ホッパーらと出会って、ポップアートを発見し、カリフォルニア大バークレー校で教鞭をとり、ロサンゼルスに定住した。アクリル素材から、ポラロイド写真、iPadまで幅広い分野で活躍する。2014年に亡くなったフィリピーヌ・ド・ロスチャイルド男爵夫人の友人。満たされたグラスと空のグラスで、絶え間なく偉大なワインが生まれる奇跡を表現したという。
　2014年は5月が冷涼で、雨がちだったが、８月の小春日和と10月まで続いた乾いた晴天に助けられた。カベルネ・ソーヴィニヨン81％、メルロ16%、カベルネ・フラン3%。ロバート・パーカーズ・ワイン・アドヴォケイトの二ール・マーティンの得点は94－96点。
　ムートンのアーティストラベルは、フィリピーヌの父フィリップ男爵が1924年に初めて手掛け、戦勝を祝福した「V」サインで有名な1945年から本格的に始まった。フィリピーヌは自らの感覚と幅広い人脈で選んでいたが、長女カミーユ、長男フィリップ・セレイス、次男ジュリアンの時代になってからは、ジュリアンが中心になって選んでいる。今回のラベルは、フィリピーヌが選考に関わった最後のもの。彼女の署名とともに、2014年に亡くなったフィリピーヌへの「トリビュート」の表記がある。ラベルをデザインしたアーティストの報酬は、当該年を含む希望のムートン数ケース。