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ジャンシス・ロビンソン・コムが日本語版を始動

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 世界で最も影響力のあるワイン・ジャーナリストの1人ジャンシス・ロビンソンの有料ワインサイト「ジャンシス・ロビンソン・コム」(JancisRobinson.com)が10日、日本語版を始動した。英語で書かれているテイスティング・レビューが日本語で読めるようになり、日本市場向けの記事も発信する。日本のワイン業界に大きなインパクトを与えそうだ。

 

 ジャンシス・ロビンソン・コムは2000年に始まり25周年。世界のワイン産地のトレンドや背景、テイスティング・レビューなどを発信している。ジャンシス・ロビンソン編集長の下で、10人のマスター・オブ・ワインや各国のジャーナリストたちが記事を寄稿している。世界のワインのプロや愛好家が購読している。日本ではWSET資格の受験生が必読のウェブサイトとなっている。

 

 サイトのニュースレター配信に登録しているユーザーは約4万人。うち1万人が年間購読料を支払っている。読者の半分以上は英国とアメリカ人。この有料会員数を倍増させるのを目標に日本語版が立ち上げられた。ワイン愛好家向けの99ポンド(1万8000円-2万円)とプロ向けの199ポンドの2種の有料会員プランがある。

 

 日本語版では27万件のテイスティング・レビューが日本語に翻訳され、数週間中に400本の記事が日本語で読めるようになる。順次、すべての記事を翻訳していく。日本市場限定の記事も掲載される。ワイン講師・ライターの小原陽子さんが最初の記事「日本ワイン、その過去と未来-パート1」を寄稿した。

 

 ジャンシスは、「日本人のワインに関する知識は表面的なものではなく、レベルが高くて知識欲も旺盛。その感覚が知識、教育、コミュニティ形成の3つの柱で成り立っているJancisRobinson.comとマッチする」と狙いを語る。

 

 一方、「The World Atlas of Wine」の紹介ページやIWC、Decanterのようなワインコンペティションでは、中国ワインが日本ワインをしのぐ影響力を有しているにもかかわらず、日本語版が中国語版に先駆けて始められた。その理由について、JancisRobinson.comのランス・ジョンソンCEOは「中国は無料コンテンツの先にある商品や限定品にお金を払う市場。日本は食やワインを評価して、それを楽しむ文化が成熟している」と明かした。

 

 サイトの収益源は有料会員の年間購読料。今後はほかのサイトのように生産者と提携したイベントを行う一方で、広告収入も検討していくそうだ。11日にキャプランで行われた「イングリッシュ・ワイン・マスタークラス」は、そのイベントの第1号となった。

 

 日本語版は日本ワイン、酒や日本ウイスキーの記事も配信していく。ジャンシスは今回の日本滞在で、日本ワイン30本をテイスティングし、5月10日に発行される「ファイナンシャル・タイムズ」のワインコラムに投稿する。その約1週間後にJancisRobinson.comでコラムが配信される。

 

 サイトの中で、毎週金曜日に配信される「Wine of The Week」に日本ワインが登場する可能性もあるが、彼女は「英国に輸入されている日本ワインはまだ甲州くらいしかない。マスカット・ベーリーAもまだ飲んだことがない」と指摘した。

 

 大橋健一MWは「日本がワインのビジネス大国になっていくには、世界のワインビジネスの核となっているJancisRobinson.comは重要。ジャンシスが世界中のジャーナリストのゴッド・マザーであるゆえんは、ワインの品質評価をするだけでなく、社会的な役割にも言及していること」と語った。

 

 「JancisRobinson.comはワインへの愛をベースに生まれたコミュニティ」と語るジャンシスの少女のような瞳が印象的だった。日本語版の立ち上げが、日本ワイン生産者を刺激して世界進出に拍車がかかれば良いと思う。

 

日本語版読者に購読期間1か月延長のプロモーション

 JancisRobinson.comは新規日本語版読者のために、購読期間を1ヶ月無料で延長するプロモーションを行っています。年間購読のページで申し込みする際に、「add coupon code」にONEと入力すると1か月無料になります。カード情報を入力しないとクーポンコードは入れられません。


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support@jancisrobinson.com

 

Text & Photo 近藤美伸

75歳とは思えない若々しさのジャンシス・ロビンソン
ランス・ジョンソンCEOは5度目の来日という親日家
小原陽子さんの寄稿記事「日本ワイン、その過去と未来-パート1」

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