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英国のワイン誌「デカンター」の2024年名誉の殿堂賞をアルゼンチンのワインメーカー、スサーナ・バルボが受賞した。ライジングスター賞はフランスのソムリエ、パスカリーヌ・ルペルティエが受賞した。
自身の名を冠したスサーナ・バルボ・ワインズを統括するスサーナ・バルボは南米初の女性醸造家。トロンテスに力を入れており、「トロンテスの女王」と呼ばれている。アルゼンチンの高級白ワインの生産に大きく貢献した。
デカンターによると、原子物理学を学ぶつもりだったが、ワイン造りにコースを変えた。アルゼンチンワイン協会の会長と副会長を務め、メンドーサ州選出の女性下院議員を務めた。娘のアナはレストランや高級ホテルの観光事業を担当している。
一方、4人目となるライジングスター賞を受賞したパスカリーヌ・ルペルティエは世界的に知られるソムリエ。2018年にフランスの最優秀ソムリエに選ばれ、昨年の世界最優秀ソムリエコンクールで4位に入った。今年11月に国際ソムリエ協会(ASI)のヨーロッパ、アフリカ、中東の最優秀ソムリエコンテストに出場する予定だという。
ロワールで生まれ、ナント大学で哲学を学んだ。ホスピタリティ・マネージメントの修士号を取得し、シャトー・ディケム1937年を飲んだことで、ワインの世界に入った。マルク・アンジェリ、ニコラ・ジョリーのドメーヌで経験を積んで、ビオディナミの情熱に火がついた。
2009年にニューヨークの「ルージュ・トマテ」の飲料ディレクターに就任し、オーガニックワインをそろえたワインリストが世界的に評価された。2014年にマスター・ソムリエ試験に合格したが、その後のセクハラ・スキャンダルなどで、マスター・ソムリエ協会の会員を辞めた。MOF(フランス国家最優秀職人章)も取得している。現在はニューヨークの「チェンバーズ」の飲料ディレクターを務めている。
「ナチュラルワインの伝道者」と呼ばれ、彼女のInstagramは世界のプロフェッショナルの情報ソースとなっている。世界を旅しており、日本酒のリサーチのために来日したこともある。初の単独著書『Mille Vignes』が10月に英国で発売予定。百科事典的な知識と独創的な切り口に基づいているという。
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