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フェブレがソノマのウィリアムズ・セリエムを完全買収

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 ブルゴーニュを代表するネゴシアンのフェブレが、カリフォルニア・ソノマの高品質ピノ・ノワールの先駆「ウィリアムズ・セリエム」の経営権を取得して、ほぼ完全に買収した。ブランド、在庫、ワイナリー、ロシアン・リヴァー・バレーのブドウ園が含まれる。


 ウィリアムズ・セリエムは、カリフォルニアで高品質のピノ・ノワールが生産できると信じられなかった1979年、バート・ウィリアムズとエド・セリエムがソノマ郡のロシアン・リヴァー・ヴァレーにガレージ・ワイナリーとして設立した。ロキオリのピノ・ノワールでカルト的な人気を得た。


 1998年に売却され、ワイナリーのファンだったジョン&ケイス・ダイソン夫妻が購入した。元々は購入したブドウで造っていたが、現在は自社畑と契約畑を拡大している。


 フェブレは2021年に株式の一部を購入し、3年間を引き継ぎ期間と位置づけ、最終的に過半数の株式を購入した。夫妻は引退するのに備えて、新たなオーナーを探してきた。夫妻は一部の株式を所有し、少なくとも3年間はCEOの職にとどまる。ワインメイキング・ディレクターのジェフ・マンガスは引き続きワイン醸造に関する決定権を持つ。


 ジョン・ダイソンは「私達の情熱とビジョンを共有しない団体からのオファーを何度も断ってきた。フェブレ家は私たちの哲学を共有し、世界最高のピノ・ノワールとシャルドネのワインを自ら造っている。長期にわたるコミットメントを持つ適切なパートナーを見つけた」と発表した。


 エルワン・フェブレは「米国で最高のピノ・ノワールとシャルドネを栽培したいと考えていた。ソノマ郡の特にロシアン・リヴァー・バレーは私たちにとって自然な場所で、ウィリアムズ・セリエムは私たちのお気に入りワイナリーの1つだった。ジョンとケイスが私たちを信頼してくれたことを嬉しく、誇りに思っている」とコメントした。

 

 ブルゴーニュのネゴシアンやドメーヌは、米国進出に際してはオレゴンに視線を定めてきた。先駆となったのがジョゼフ・ドルーアン。1987年にドメーヌ・ドルーアン オレゴンを設立した。ルイ・ジャドは2013年にウィラメット・ヴァレーに畑を購入し、当時はブシャール・ペール・エ・フィスを傘下に抱いていたアンリオは2017年、ロバート・パーカーの義弟のボー・フレールを買収した。

 


 ドミニク・ラフォンをワインメーカーに迎えたイヴニング・ランド・ヴィンヤーズは2007年にデビュー・ヴィンテージを発売。ドメーヌ・メオ・カミュゼのジャン・ニコラ・メオは2013年にニコラス・ジェイを共同で設立した。


 だが、質量ともに米国を代表するカリフォルニアへの進出は遅れてきた。ドメーヌ・ド・モンティーユのエティエンヌ・ド・モンティーユがサンタ・リタ・ヒルズのプロジェクト「ラシーヌ」からワインをデビューさせたのは2017年のことだ。


 フェブレがカリフォルニアのピノ・ノワールの先駆者であるウィリアムズ・セリエムを継承することで、状況は変わるかもしれない。ブルゴーニュが気候変動の影響を受けている事情もあり、長期的な視野で事業を進めるメゾンには寒流の影響で冷涼なソノマやサンタ・リタ・ヒルズは、ピノ・ノワールの生産に可能性がある。米国市場の大きさも魅力的だ。

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