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2023年シャンパーニュ収量は1万1400kg/haに緩和、順調な売り上げ回復を見込み

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 2023年に市場に流通させられるシャンパーニュの収量上限が、ヘクタールあたり1万1400kgに設定された。2008年以来最も多かった2022年の1万2000kg/haをわずかに下回る高い水準。シャンパーニュ委員会(CIVC)は、順調な回復を見込んで、パンデミックとウクライナ戦争の影響で引き締めた収量を緩和する方向に向かった。


 1万1400kgという収量は、1本当たりに必要なブドウが1.2kgのため、3万4000ヘクタールの栽培面積から3億2600万本のシャンパーニュを生産できる計算となる。これは収量上限が1万2000kg/haに制限され、約3億4,300万本が生産された2022年と比較すると5%の減少となる。


 ネゴシアンで構成される「Union des Maisons de Champagne(シャンパーニュメゾン組合)」 (UMC) と、グローワー主体の「Syndicat Geeral des Vignerons de la Champagne(ブドウ栽培・醸造業者組合)」 (SGV)の間で協議して、19日に発表された。


 毎年の収量は、生育状況、売れ行きや世界的な経済、販売予測などに基いて決められる。


 2023年上半期の出荷量は1億2580万本だった。2022年は年間で3億2550万本を売った記録的な年だっため、前年同期で比較すると4.7%の減少となった。輸出は3.7%、フランス国内は6.3%減となった。英国や米国は微減だが、東南アジアは好調で、日本は急成長している。


 収量はパンデミックが広がった2020年は8000kg/haに減らした。この年の出荷量は2億4500万本にとどまった。2021年は上半期の出荷量が前年同期より50%増加し、1万kg/haに増やした。


 栽培農家を代表するマキシム・トゥーバールCIVC共同会長は、2023年の収量を「慎重だが楽観的な決定」と述べた。販売予測は2023年が3億1400万本、その後3年間は3億1500万本と見込んでいる。


 ただ、収穫可能なブドウの収量は1万1400kg/haを上回っている。自然な収量がこれより多くなった場合、生産者はそれを収穫してリザーブワインとして貯蔵に回すことができ、将来ブドウが不足した場合に使える。

 
 リザーヴに入れるために今年のヴィンテージから収穫できる量はさらに4100kg/haで、これは1万1400kg/haを超える量に相当し、規則で認められている最大量である1万5500kg/haまでとなる。


 2023年の気候は良好で、霜や雹による被害はほとんどなく、べと病やうどんこ病も抑えられている。収穫は9月7日から10日にかけて始まると見られる。

6月15日には開花していたクロ・デ・ゴワスの畑

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