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シチリアで初めて国際品種を栽培し、シチリア近代化の基礎を築いたルーチョ・タスカ・ダルメリータ伯爵が亡くなった。82歳だった。
貴族階級のダルメリータ伯爵は1940年パレルモ生まれ。スイス・ローザンヌの大学で経済学を学んだ。一族は1830年に島の中心部で最初の農園「テヌータ・レガリアーリ」を取得した。伯爵はそれを核に発展させて、シチリアに5つのテヌータ(農園)を所有する「タスカ・ダルメリータ」を創設した。
革新的な発想の持ち主で、国際品種の可能性を早くから見出した。1979年から1980年代にかけて、カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネなどを初めて市場に出し、シチリアの国際品種のパイオニアとなった。
伯爵の父の6代目ジュゼッペは最初、カベルネ・ソーヴィニヨンに反対していたため、秘密裏に植えたワインを試飲させた。ジュゼッペはボルドーと勘違いしたが、その味わいに感銘を受けて息子の才能を認めたという。
シチリアのワインは1980年代までは、北部のワインを強化するバルクワインだったが、彼のけん引力によって国際市場に認められる産地として発展した。
タスカ・ダルメリータは現在、8代目の当主アルベルトが主導し、太陽光発電、軽量ボトルなど、サステイナブルなワイン造りに注力している。
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