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世代交替に伴って、ブルゴーニュのワインはエレガントに変化している。ビオに取り組み、抽出は優しく、全房発酵も取り入れ、新樽比率を下げている。シルヴァン・カティアールはその流れに乗り始めたばかりだ。
31歳のセバスチャンは、父シルヴァンが引退した2013年の2年前から、栽培と醸造を担当している。2014年から化学薬品の使用を止めた。新樽比率はグランクリュで50％、それ以外は30％に減らした。すべて除梗している。抽出は中程度。伝統サイドに寄っているが、透明な果実味があり、フィネスとエレガンスを追求するヴォーヌ・ロマネらしいドメーヌだ。新設した醸造所は、プルミエクリュのレ・スショの脇にあり、大きい。立派なお屋敷の多いこの村でもひときわ目立つ。
4.25ヘクタールから作る10種の2014を樽から試飲した。2014は9月17日から4日で収穫を終えた。10度で低温浸漬を行い、1日にポンプオーヴァーを2回行い、パンチダウンは6～10回行う。
ブルゴーニュACからセクシーだ。サワーチェリー、ラズベリーの香りと甘やかな味わい。5区画を混ぜたヴォーヌ・ロマネはアセロラのキャンディ、チャーミングで、しっかりと持続性がある。シャンボル・ミュジニーのレ・クロ・デ・ロルムはスミレやサクラの花びらの香り。細身で、酸の伸びがある。レジョナルからヴィラージュでも、クリーンな果実に魅惑される。「新樽を減らしたのはテンションを高めて、テロワールを表現するため。月のカレンダーに従って、瓶詰めや圧搾をする」と、育ちの良さそうなセバスチャンは言う。
ニュイ・サン・ジョルジュのプルミエクリュは、2006年に加わったオー・トレとミュルジェ。新樽比率を減らして、オー・トレは煮詰めた赤系果実のピュアさが素直に立ち上がる。ミュルジェはヴォーヌ・ロマネの優雅さに、ニュイ的な野性味が加わり、黒系ベリーとほのかなスパイス。オー・トレはニュイ・サン・ジョルジュの北と南の間にある谷からくる涼風で引き締まる。ド・モンティーユやダヴィド・デュバンも所有するエレガントなプルミエクリュ。ミュルジェは70年以上の樹で、ミルランダージュ（結実不良）が多いという。
ヴォーヌ・ロマネの4つのプルミエクリュは、コート・ドールの中心をなすこの村を学ぶ最良の試飲だ。オー・レニョは気品と緊張感があり、シルキーな質感、石灰岩の香り。ラ・ロマネの上部にある。水はけがいい東向き斜面なので、早く熟して、小粒の実をつけるとか。「樹齢は18年と若いが、将来はロマネ・サン・ヴィヴァンと比較できるワインになる」と。
アン・オルヴォーは細マッチョで、広がりがあり、おおらか。フラワリーでミネラリー。エシェゾーの上の畑。レ・スショの上手な造り手は少ないが、力強いヴォリューム感を秘めたバランスの良さは抜群。エキゾチックで、きわめて長い。マルコンソールは、デュジャック、ド・モンティーユと並ぶ最上の造り手の一つだろう。オレンジ、ダークベリー、砕いた石。隣接するラ・ターシュの力強さと包みこむような大きさがある。土壌は粘土が多い。やはりプルミエクリュのトップを行く。
しかし、グランクリュは格が違う。ロマネ・サン・ヴィヴァンはバラのつぼみ、ラズベリーのジャム、香水のように香り高い。ビロードのような質感。タンニンの量は多いが、極めてきめ細かい。層を織りなす果実の調和をとる素晴らしいハーモニーがある。全房のスパイシーな複雑性はないが、気高い果実の純粋さがある。優美さの際立つ飲む宝石だ。樹齢96年の樹から3樽のみ。1分間にわたって、口中で転がし続けた。膨らむ。伸びる、広がる。DRCとルロワに次ぐロマネ・サン・ヴィヴァンだ。
瓶から飲んだ2013ACは凡百のヴォーヌ・ロマネをしのぐ飲むシルクだった。ニュイ・サン・ジョルジュ・レ・ミュルジェの2012は、凝縮度はあるのに重さがない。2013はフレッシュな酸があり、そのまま1本でも飲めそうな軽やかさとバランス。
スミス・オー・ラフィットとニュージーランドのフロムで修業したセバスチャン。視野が広い。「家のスタイルを守りながら、テロワールの透明性を表現したい」と。英国がトップ輸出市場のため、日本は量が少なく、高価だが、今後の進化が楽しみなドメーヌだ。
2015年11月4日 ヴォーヌ・ロマネのドメーヌ・シルヴァン・カティアールで
ドメーヌ・シルヴァン・カティアール ブルゴーニュAC 2014
88～90点
ドメーヌ・シルヴァン・カティアール ヴォーヌ・ロマネ 2014
89～91点
ドメーヌ・シルヴァン・カティアール シャンボル・ミュジニー・レ・クロ・デ・ロルム 2014
89～91点
ドメーヌ・シルヴァン・カティアール ニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエクリュ・オー・トレ 2014
91～93点
ドメーヌ・シルヴァン・カティアール ニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエクリュ・レ・ミュルジェ 2014
92～94点
ドメーヌ・シルヴァン・カティアール ヴォーヌ・ロマネ・プルミエクリュ・オー・レイニョ 2014
92～95点
ドメーヌ・シルヴァン・カティアール ヴォーヌ・ロマネ・プルミエクリュ・アン・オルヴォー 2014
92～94点
ドメーヌ・シルヴァン・カティアール ヴォーヌ・ロマネ・プルミエクリュ・レ・スショ 2014
92～95点
ドメーヌ・シルヴァン・カティアール ヴォーヌ・ロマネ・プルミエクリュ・マルコンソール 2014
93～96点
ドメーヌ・シルヴァン・カティアール ロマネ・サン・ヴィヴァン 2014
94～97点
輸入元：豊通食料
31歳のセバスチャンは、父シルヴァンが引退した2013年の2年前から、栽培と醸造を担当している。2014年から化学薬品の使用を止めた。新樽比率はグランクリュで50％、それ以外は30％に減らした。すべて除梗している。抽出は中程度。伝統サイドに寄っているが、透明な果実味があり、フィネスとエレガンスを追求するヴォーヌ・ロマネらしいドメーヌだ。新設した醸造所は、プルミエクリュのレ・スショの脇にあり、大きい。立派なお屋敷の多いこの村でもひときわ目立つ。
4.25ヘクタールから作る10種の2014を樽から試飲した。2014は9月17日から4日で収穫を終えた。10度で低温浸漬を行い、1日にポンプオーヴァーを2回行い、パンチダウンは6～10回行う。
ブルゴーニュACからセクシーだ。サワーチェリー、ラズベリーの香りと甘やかな味わい。5区画を混ぜたヴォーヌ・ロマネはアセロラのキャンディ、チャーミングで、しっかりと持続性がある。シャンボル・ミュジニーのレ・クロ・デ・ロルムはスミレやサクラの花びらの香り。細身で、酸の伸びがある。レジョナルからヴィラージュでも、クリーンな果実に魅惑される。「新樽を減らしたのはテンションを高めて、テロワールを表現するため。月のカレンダーに従って、瓶詰めや圧搾をする」と、育ちの良さそうなセバスチャンは言う。
ニュイ・サン・ジョルジュのプルミエクリュは、2006年に加わったオー・トレとミュルジェ。新樽比率を減らして、オー・トレは煮詰めた赤系果実のピュアさが素直に立ち上がる。ミュルジェはヴォーヌ・ロマネの優雅さに、ニュイ的な野性味が加わり、黒系ベリーとほのかなスパイス。オー・トレはニュイ・サン・ジョルジュの北と南の間にある谷からくる涼風で引き締まる。ド・モンティーユやダヴィド・デュバンも所有するエレガントなプルミエクリュ。ミュルジェは70年以上の樹で、ミルランダージュ（結実不良）が多いという。
ヴォーヌ・ロマネの4つのプルミエクリュは、コート・ドールの中心をなすこの村を学ぶ最良の試飲だ。オー・レニョは気品と緊張感があり、シルキーな質感、石灰岩の香り。ラ・ロマネの上部にある。水はけがいい東向き斜面なので、早く熟して、小粒の実をつけるとか。「樹齢は18年と若いが、将来はロマネ・サン・ヴィヴァンと比較できるワインになる」と。
アン・オルヴォーは細マッチョで、広がりがあり、おおらか。フラワリーでミネラリー。エシェゾーの上の畑。レ・スショの上手な造り手は少ないが、力強いヴォリューム感を秘めたバランスの良さは抜群。エキゾチックで、きわめて長い。マルコンソールは、デュジャック、ド・モンティーユと並ぶ最上の造り手の一つだろう。オレンジ、ダークベリー、砕いた石。隣接するラ・ターシュの力強さと包みこむような大きさがある。土壌は粘土が多い。やはりプルミエクリュのトップを行く。
しかし、グランクリュは格が違う。ロマネ・サン・ヴィヴァンはバラのつぼみ、ラズベリーのジャム、香水のように香り高い。ビロードのような質感。タンニンの量は多いが、極めてきめ細かい。層を織りなす果実の調和をとる素晴らしいハーモニーがある。全房のスパイシーな複雑性はないが、気高い果実の純粋さがある。優美さの際立つ飲む宝石だ。樹齢96年の樹から3樽のみ。1分間にわたって、口中で転がし続けた。膨らむ。伸びる、広がる。DRCとルロワに次ぐロマネ・サン・ヴィヴァンだ。
瓶から飲んだ2013ACは凡百のヴォーヌ・ロマネをしのぐ飲むシルクだった。ニュイ・サン・ジョルジュ・レ・ミュルジェの2012は、凝縮度はあるのに重さがない。2013はフレッシュな酸があり、そのまま1本でも飲めそうな軽やかさとバランス。
スミス・オー・ラフィットとニュージーランドのフロムで修業したセバスチャン。視野が広い。「家のスタイルを守りながら、テロワールの透明性を表現したい」と。英国がトップ輸出市場のため、日本は量が少なく、高価だが、今後の進化が楽しみなドメーヌだ。
2015年11月4日 ヴォーヌ・ロマネのドメーヌ・シルヴァン・カティアールで
ドメーヌ・シルヴァン・カティアール ブルゴーニュAC 2014
88～90点
ドメーヌ・シルヴァン・カティアール ヴォーヌ・ロマネ 2014
89～91点
ドメーヌ・シルヴァン・カティアール シャンボル・ミュジニー・レ・クロ・デ・ロルム 2014
89～91点
ドメーヌ・シルヴァン・カティアール ニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエクリュ・オー・トレ 2014
91～93点
ドメーヌ・シルヴァン・カティアール ニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエクリュ・レ・ミュルジェ 2014
92～94点
ドメーヌ・シルヴァン・カティアール ヴォーヌ・ロマネ・プルミエクリュ・オー・レイニョ 2014
92～95点
ドメーヌ・シルヴァン・カティアール ヴォーヌ・ロマネ・プルミエクリュ・アン・オルヴォー 2014
92～94点
ドメーヌ・シルヴァン・カティアール ヴォーヌ・ロマネ・プルミエクリュ・レ・スショ 2014
92～95点
ドメーヌ・シルヴァン・カティアール ヴォーヌ・ロマネ・プルミエクリュ・マルコンソール 2014
93～96点
ドメーヌ・シルヴァン・カティアール ロマネ・サン・ヴィヴァン 2014
94～97点
輸入元：豊通食料
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