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区画別醸造から誕生、ボルドー右岸思わせるセカンド・フライト

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 オークヴィル東部あるスクリーミング・イーグルは、ナパヴァレーの単純なヴァレー・フロア(谷床部)とは異なる。小さな丘の一部で、なだらかな傾斜があり、風が吹き抜ける。斜度はボルドーのシャトー・ラフィットよりはるかに大きい。場所によって5%はある。

 その地形と土壌の多様性が、ワインに独特な個性を与えている。南部は茶色のロームで、赤い火山性土壌が混じる。砂利土壌が全体に広がり、東部は特に強い。ナパには珍しい、ペトリュスと同じ青い粘土もある。55エーカー(22ha)の敷地の45エーカー(18ha)でブドウを栽培する。ほぼ半分が、最初に畑を購入したジーン・フィリップスが植えたもので、2006年にナパ一番の栽培家デビッド・エイブリューが残りを植え替えた。

 「45エーカーを45ブロックに分けて、45の発酵槽で発酵する。スクリーミング・イーグルの土壌は多彩だ。そこが面白い」と、ワインメーカーのニック・ギラソン。スクリーミング・イーグルのワインメーカーは歴代で3人。初代がハイディ・バレット。2代目アンディ・エリクソンのアシスタントとして、ニックは2009年に参画し、2011年にとって変わった。ビール醸造の経験もあり、ニュージーランドのクラギー・レンジやナパのハーラン・エステートでも経験がある。
 スクリーミング・イーグルは開花も生育も周辺より早い。日照に恵まれるからだ。2015年はソーヴィニヨン・ブランを8月11日に開始、赤ワイン品種は15日に始め、9月8日に終えた。黒ブドウはカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ・フランに、一握りのプティ・ヴェルドも植えている。区画ごとの醸造を進める中で生まれたのが「セカンドフライト」だ。ここでは、ブレンドのため、区画別にブラインド・テイスティングする。一部の区画のメルロのフレッシュな個性に気づいて、メルロに軸足を置いたキュヴェを仕込んだ。最初の2006はカベルネ・ソーヴィニヨン67%とメルロ33%だったが、今はメルロが上回り、カベルネ・フランも増えた。
 瓶から試飲した2013は、シルキーなタンニンとフレッシュな味わいのある香り高いワイン。スミレ、ブラックベリー、中華スパイス、スモーク、ブラウン・チョコレート。粘土土壌を感じさせるまろやかさ。重くはないが、中間の充実感がしっかりとあり、余韻は細やかなタンニンが持続する。メルロ65%、カベルネ・フラン22%で残りがカベルネ・ソーヴィニヨン。ビッグ・ヴィンテージのヴィユー・シャトー・セルタンを連想した。

 「デビューした2006年から2009年は学びの時期だった。2010年はワインを知る年だった。セカンド・フライトはセカンドワインではない。独立した個性がある。名前がよくないと言う人もいるが、私は気にしない。マーケティングからは距離を置いているからね」と総支配人のアルマン・ド・マルゲ。
 「ソーヴィニヨン・ブランはサード・フライトにすればよかったね」と言うと、アルマンが笑った。
 
2015年12月10日 カリフォルニア・ナパヴァレーのスクリーミング・イーグルで
スクリーミング・イーグル セカンド・フライト 2013
95点
輸入元:ワイン・イン・スタイル

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