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高貴でフレッシュ、死ぬまでに飲みたいスクリーミング・イーグル

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 スクリーミング・イーグルの起源は、よく知られている。不動産ブローカーのジーン・フィリップスが1986年にブドウ樹の植えられた土地を購入した。当初はブドウを売却していたが、古い納屋でワインを仕込むようになった。1992年がロバート・パーカーの目にとまり、99点を獲得し、あっとういう間にカルトワインとなった。

 「1992は素晴らしい。1995と2001、2007もいい。私には2001がベスト・ヴィンテージだ。ライブラリーワインを一定量はためたいのだが、難しい」と、総支配人のアルマン・ド・メグレ氏が言う。
 伝説が生まれたその納屋は健在だ。玄関の上に「風見鷲」が飾ってある。実際に、鋭い鳴き声の鷲が上空を舞うそうだ。納屋の脇の屋根のある場所に、選果台と除梗機が置いてある。10メートルの台に30人が張り付くという。1粒の未熟果も見逃さない。光学式選果機は使わないのか?

 「我々は効率のために人を犠牲にしない。人間のためのワインを人間で造っている。社会的な責任がある。栽培スタッフも13人いるが、敷地内で暮らす者もいる」
 発酵槽は圧巻だ。45エーカーの45ブロックに対応する45基を備える。メルロにはフローラルさの出るコンクリート、カベルネ・ソーヴィニヨンは杉などのアロマを引き出せる開放式木桶、汎用的なステンレスタンクの3種を使い分ける。多くの醸造施設を見たが、ここまで細かく配慮しているものは初めて。すべてに脚がついている特注品で、腰が高い。プレスワインを造る際の酸化の危険を少しでも減らすためだ。据え置きだと、果皮を圧搾機に移動させる際に、時間や手間がかかる。
 区画ごとの醸造の意義は、樽から試飲した2014でよくわかった。鉄分の豊富な区画と、そこから10メートル離れた粘土の強い区画のカベルネ・ソーヴィニヨンでは、明確に味わいが異なる。前者は金属的なミネラル感が強く、後者はまろやかで、タンニンが太い。「我々の造りはブルゴーニュに近い」という、ワインメーカーのニック・ギラソンの意味がよくわかった。

 ボトルから2013と2007のスクリーミング・イーグルを試飲する。2013は砕いた石、ブラックベリーのジャム、甘草、ピュアなカシス。超凝縮されているが、驚くほどスムーズな口当たりで、フレッシュ。正確だ。2007は熟成による森の下草、タバコの香りが加わり、多層的な果実が押し寄せてくる。シルキーなタンニンとクリーミィな質感は柔らかさを増し、凝縮されているのに重さがない。余韻は30秒以上も続く。2度試飲して、印象が変わらなかった。フィネスと球体的なエレガンス。私ののどを滑り落ちた最も高貴なカリフォルニアワインだった。アントニオ・ガッローニは100点。納得である。

 濃厚なだけのフルーツ爆弾と思ったら大違い。フレッシュ感が際立っている。熟しすぎを嫌う。カベルネ・ソーヴィニヨンは、ブリックス23.5から24.5で収穫する。PHは3.2から3.3。アルコール度は14.8%だが、熱さを感じさせない。新樽比率は70%。
 2人はボルドー・サンテミリオンのトップシャトーを回って、帰国したところだった。ペトリュスの醸造責任者とも交流があり、最新の技術もフォローしている。メルロ主体のセカンド・フライトもまだよくなるだろう。ニックはシャンパーニュのセドリック・ブシャールが好きということで、テイストがあった。彼のパレットで造るワインだから間違いがない。
 市価は2000ドル以上。日本への輸出は30本。困難を克服して、死ぬまでに一度は飲む価値のあるワインだ。

2015年12月10日 カリフォルニア・ナパヴァレーのスクリーミング・イーグルで
スクリーミング・イーグル カベルネ・ソーヴィニヨン 2013
97点
スクリーミング・イーグル カベルネ・ソーヴィニヨン 2007
99点
輸入元:ワイン・イン・スタイル

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