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値段はラフォンの4分の1、南アのアタラクシアのシャルドネ

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 英国のティム・アトキンMWが2015年に発表した格付け「ケープ・クラシフィケーション」は、南アフリカの潜在力を改めて世界に広めた。その中には、南部ウォーカーベイの生産者も多く含まれている。

 アタラクシア・ワインズは2004年に設立された若いワイナリーだが、可能性を感じさせる。「シャルドネ 2014」はわかりやすく言えば、ブルゴーニュ・ムルソーのプルミエクリュに優に匹敵する。ムルソー・プルミエクリュと言っても、一昔前のオークに頼った味わいではなく、コント・ラフォンを連想させる上品なスタイル。価格はラフォンの4分の1にすぎない。
 樽の使い方がこなれている。フレンチ・バリックで発酵し、バトナージュしながら9か月間の熟成。新樽28%と2年樽72%。オークはきれいに統合されていて、上品なヘーゼルナッツ、白桃、ネクタリンの香り。クリーミィでなめらかなテクスチャー、味わいはリニアで、正確。心地よいスモーキーなほろ苦みとミネラル感を伴うフレッシュな余韻に導かれる。新世界のテロワールから生まれた旧世界スタイルのワインだ。

 ウォーカー・ベイのあるヘメル・アン・アードはアフリカの最南端に近く、氷で覆われた南大西洋に近い。ハミルトン・ラッセルが1975年にピノ・ノワールで先鞭をつけたが、シャルドネも優れている。年間降雨量が750ミリと少なく、内陸部は灌がいが必要だが、石の多い粘土を主体した複雑な土壌に助けられている。新世界のシャルドネが成功している産地の例にもれず、冷涼な気候を生かした緊張感のあるスタイルだ。
 ワインメーカーのケヴィン・グラントは、先駆者ハミルトン・ラッセルの醸造長を務めた後、フランス、オレゴン、オーストラリア、ニュージーランドで修業を積んだ。世界クラスのシャルドネ造りを心得ている。

2016年2月16日 自宅で
アタラクシア・ワインズ シャルドネ 2014
93点
参考上代:4500円
輸入元:ラフィネ 

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