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カリフォルニア・ナパヴァレーの頂点に立つハーラン・エステートのビル・ハーランが、息子のウィルにマネージング・ディレクターの座を譲る。一線を退いて日々の仕事を任せて、会長となる。
ビルは1940年生まれ。不動産業で成功して、ナパヴァレーにやってきた。オークヴィル西側のマヤカマス山脈の斜面を切り開いて1984年にワイナリーを設立。公式の最初のヴィンテージは1990年となる。その後、ボンド、プロモントリーも始めた。3つ星レストランを備えるリゾートホテル「メドウッド」を経営し、高級ワインクラブ会員向けのカスタムメイドワイン「ナパヴァレー・リザーヴ」も手掛ける。
ハーラン・エステートは2016、2015、2013、2007、2002、2001、1997、1994と、確定したパーカーポイント100点を8ヴィンテージで獲得している。そのほかのワイナリーも世界的な評価を得ている。
ビルは80歳になったら次世代に継承する方向性を示してきた。ワイン・スペクテイターに寄せた手紙によると、「2021年から、息子のウィルがファミリー・ドメーヌのマネージング・ディレクターに就任し、リーダーシップを引き継ぐことを発表できることをうれしく思う。私は引き続き創業者兼会長の役割を果たす」という。
カリフォルニアの家族経営ワイナリーが、大手ワイン企業に買収される中で、ビルはボルドーのシャトーが19世紀から育て上げた伝統を200年かけて構築したという例にならい、エステートをカリフォルニアの揺るぎない1級にする「200年計画」の構想を持っている。
ウィルは1987年生まれ。サンフランシスコでIT企業を起業した後、2012年にワイナリーに参画した。若木から造るマスコットやマヤカマス山脈でニュー・フロンティアを開拓するプロモントリーを手掛けてきた。プロモントリーの主導権は2017年から握っている。妹のアマンダも数年前から、広報とマーケティングに関与している。
今回の人事に伴い、ハーランとボンドのワインメーカーのコーリー・エンプティングが、ワイングロウイングのマネージング・ディレクターに就任し、ウィルとコーリーがワイナリーをけん引する。
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