- FREE
フランス北部のシャンパーニュ、アルザス、ロワールやブルゴーニュ地方は、5日から6日にかけて、気温が零下3度から5度以下に下がった。先週までの温かさで萌芽した新芽を守るため、各地で霜害対策に追われた。
3月末のブルゴーニュの気温は23度から25度に達するほど暖かったため、ブドウ樹の生育が早めに進んでいた。だが、4月5日夜から6日にかけて、フランス北部は急速に温度が下がると、天気予報が警報を出した。このため、イースター休暇が始まったばかりの栽培家たちは畑でロウソクを燃やしたり、散水したり、タービンで大気を循環させるなどの対策で備えた。
現地報道によると、シャブリの畑は零下7度まで下がり、わずかに降雨もあった。スプリンクラーで散水して新芽を凍らせる農家が見られたが、被害の出た畑もあるという。
ブルゴーニュでは早熟のシャルドネが植えられているコート・ドボーヌが対応に追われた。新芽が出て展葉が進んでいる畑では、ロウソクを置いて地表の温度を温める農家が多かった。広い畑で火がゆらめく幻想的な風景となった。
オスピス・ド・ボーヌのムルソー・プルミエクリュ・ジュヌヴリエールの畑でロウソク「Stop Gel」を設置するInstagram映像はこちら
ジョゼフ・ドルーアンがモンラッシェ・マルキ・ド・ラギッシュの畑でロウソクを燃やしているFacebookの動画はこちら
ルイ・ロデレールがアヴィーズのシャルドネの畑に設置した送風機のTwitter動画はこちら
シャンパーニュも5日夜は、零下7度まで気温が低下し、雨も降った。南部のコート・デ・バールの影響が大きく、状況は今週中も続くと見られている。サステイナブル農法に注力しているため、カーボン・ニュートラルな木質ペレットを燃やしたり、散水したりしている。地表の冷気をまきあげるために送風するタービンも使われる。
気候変動に伴って、ブドウ樹の生育サイクルは早まり、春の霜は年中行事のように起きる問題となっている。剪定時期を遅らせるのが対策の1つだが、これは樹勢を損なうリスクをはらんでいる。湿度を制限するための草刈りや敏感な時期には土壌作業を行わないなどの対策もある。
気候変動は夏季の乾燥と高温をもたらしている。フランスの冷涼な産地で、熟度が上がるのはポジティブな要素だが、一方でこれまでとは異なるネガティブな影響も出ている。
購読申込のご案内はこちら
会員登録(有料)されると会員様だけの記事が購読ができます。
世界の旬なワイン情報が集まっているので情報収集の時間も短縮できます!