世界の最新ワインニュースと試飲レポート

MENU

  1. トップ
  2. 記事一覧
  3. ドメーヌ・デ・ゾスピス・ド・ベルヴィル、ドルーアンもボージョレに進出

ドメーヌ・デ・ゾスピス・ド・ベルヴィル、ドルーアンもボージョレに進出

  • FREE
 ブルゴーニュの生産者が南に下る傾向が続いている。ドメーヌはマコンで白ワインを造り、メゾンはボージョレの土地を購入している。ブルゴーニュはシャブリからボージョレまで南北に広がるが、同じ地方としてくくられるのは共通性があるからだ。ガイメイはかつて、コード・ドール中で栽培されていた。
 ジョゼフ・ドルーアンは安定したイメージとは裏腹に、先進的な挑戦を繰り返してきた。オレゴンに早くから進出し、シャブリでも畑を買収した。だが、南部ボージョレのプロジェクトは初めてだ。2014年ヴィンテージから、オスピス・ド・ベルヴィルと提携して、クリュ・ボージョレの生産を始めた。ホスピス・ドベルヴィルの名は、1962年までオスピス・ド・ボーヌ同様に病院として機能したことに由来する。現在は博物館となっている。

 発売されたのは、フルーリー、ブルイィ、モルゴンの3つのクリュ・ボージョレ。ドルーアンは栽培、醸造、育成、マーケティングまで面倒を見る。ドルーアンは恵まれた畑のブドウを手に入れ、オスピス側は資金的なリソースを得られる。
 3つのクリュの違いは興味深かった。「ドメーヌ・デ・ゾスピス・ド・ベルヴィル フルーリー 2014」は、茎のニュアンスを残してスパイシー。スミレ、ブルーベリー、シソ、抽出は柔らかく、少し冷やすことによって、フルーリーの優しい個性が際立つだろう。もっと除梗した方がバランスがとれる。ミョウガを使った夏の和食にはよく合う。
 「ドメーヌ・デ・ゾスピス・ド・ベルヴィル ブルイィ 2014」はより果実が豊か、フラワリーで、ドライトマト、湿った土の香り。生き生きした果実がダイレクトに感じられ、フィニッシュにショウガの香り。日本人がイメージする、フルーティでフレッシュなボージョレに最も近いだろう。

 「ドメーヌ・デ・ゾスピス・ド・ベルヴィル モルゴン 2014」は金属的、レッドチェリー、花崗岩の香り、風化しかけた岩が広がるアペラシオンの個性をよく表すミネラリーなタッチとしっかりした酸があり、熟度が最も高い。バランスがとれていて、余韻も3つの中では最も長い。
 醸造スタイルはばらつきがあるが、クリュの違いをくっきりと表現したボージョレ。細部に改善する余地はあるが、逆に言えば向上する可能性もある。

2016年7月10日 自宅で

ジョゼフ・ドルーアン ドメーヌ・デ・ゾスピス・ド・ベルヴィル フルーリー 2014
85点
希望小売価格:3700円
ジョゼフ・ドルーアン ドメーヌ・デ・ゾスピス・ド・ベルヴィル ブルイィ 2014
86点
希望小売価格:3400円
ジョゼフ・ドルーアン ドメーヌ・デ・ゾスピス・ド・ベルヴィル モルゴン 2014
87点
希望小売価格:3000円
輸入元:三国ワイン

購読申込のご案内はこちら

会員登録(有料)されると会員様だけの記事が購読ができます。
世界の旬なワイン情報が集まっているので情報収集の時間も短縮できます!

Enjoy Wine Report!! 詳しくはこちら

TOP