コルナスのアラン・ヴォージュ死去

　ローヌ北部のコルナスを代表する名手アラン・ヴォージュ（Alain Voge）が26日、亡くなった。現地報道によると、81歳だった。

　1939年生まれのヴォージュは1960年代に家族ドメーヌを継承して、自家元詰を始めた。90年代に米国を中心に輸出を始めた。2018年に亡くなったオーギュスト・クラープと並んで、コルナスの産地を世界に広める上で大きな役割を果たした。サンペレイの白の存在も印象づけた。

　シャプティエの影響で、2006年からオーガニックに転換し、マリア・チュンとフランソワ・ブーシェの指導も受けて2016年にビオディナミの認証を取得。ローヌに精通するロバート・パーカーは「ワインは良質なエルミタージュに似ている」と著書で評し、高く評価していた。

　Cornasではクリマをブレンドした「LES CHAILLES」、平均樹齢60年の「LES VIEILLES VIGNES」、優良年しか仕込まない80年の古木の「LES VIEILLES FONTAINES」などで知られた。「Cornas Vieilles Fontaines 2010」はパーカーポイント100点をジェブ・ダナックから得た。

　凝縮感あるワインで、手摘みし、部分的に全房発酵を導入し、ステンレスタンクで発酵、樽熟成した。総亜硫酸量はリットル当たり50mgを切るオーガニックワインだった。