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日本の総ワイン消費量は、平成の30年間で3倍以上に増加したことが、メルシャンの発表した統計でわかった。輸入ワインではチリが5年連続でトップに立ち、日本ワインの出荷量は微増している。ただ、1人当たりの消費量は3.2リットル(4.2本)と横ばいにとどまっている。
メルシャンが国税庁の発表に基づいてまとめたワイン消費量統計は、1976年度が国内製造と輸入を合わせて2万9834キロリットルだった。平成時代は、元年(1989年)度の11万2777キロリットルから、平成30年(2018年)度は35万2046キロリットルと3.1倍に増えた。
平成のワインブームは、外圧によって市場の基礎が築かれ、舶来文化だったワインが身近な飲み物になった歴史だ。1989年には改正酒税法が施行され、酒類販売の規制緩和が進んだ。ワインは値下がりし、スーパーマーケットやディスカウンターで売られ、ネット通販も90年代後半に始まった。95年の田崎真也さんの世界最優秀ソムリエコンクール優秀で爆発し、97年から98年にかけて”チリカベ”ブームで赤ワインが食卓に広がった。
消費量でみた国内製造と輸入ワインの比率は、1989年にそれぞれ53.2%と46.8%とほぼ同じだったが、2018年は輸入ワインが66.2%と、国内製造のほぼ倍になっている。
輸入ワインの4本に1本はチリ
2019年の輸入ワインで最も多かったのは5年連続のチリ。4721万リットルで、輸入ワインのシェアの26.8%を占める。輸入ワインの4本に1本はチリという勘定だ。日欧のEPA(経済連携協定)が2019年2月に施行され、かつてのトップだったフランスははずみがついたものの、4711万リットルでわずかに及ばなかった。3位からはイタリア、スペイン、米国と続いた。
一方、「日本ワイン」は2018年10月、国産ブドウのみを原料とし、日本国内で製造された果実酒」という製法品質表示基準の適用が始まった。日本ワインの国内市場での流通量は4.6%と少ないが、2018年の出荷量は前年比5%増の1567万リットルと上向いている。
ただ、日本人の1人当たりのワイン消費量は横ばいにとどまっている。OIV(国際ブドウ・ブドウ酒機構)の2019年の発表によると、2018年の年間消費量は3.2リットル(4.2本)。世界で18番目だった。
ワイン&スピリッツの国際見本市「ヴィネクスポ」が2018年に発表した、2016年の1人当たりの年間ワイン消費は、3.4リットル(約4.5本)だった。
1人4-5本が常識的な数字と言えるだろう。ワインのすそ野は広がっているものの、大量に消費する消費者が数字を支えていると見られる。
OIVの発表によると、2018年の1人当たりの消費が最も多いのはポルトガルで、62リットル(82.6本)。2位はフランスの50リットル(66.本)、3位はイタリアの44リットル(58.6本)となっている。上位国は減少傾向にある。
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