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ボルドーの格付けシャトーなど134シャトーから成る「ユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドー」(UGCB)が、ボルドー2019のプリムール試飲会を25、26日に東京で開く。パンデミックで4月のボルドーでの開催が出来なかったため、初めて海外に試飲用ボトルを輸出して試飲会を開く。
前年に収穫したブドウで仕込んだワインを4月に、世界のディストリビューター、ソムリエ、ジャーナリストらに供するプリムール試飲会は、ボルドーワイン産業の最大のイベント。ジャーナリストが点数評価する一方で、各国インポーターやソムリエが先物買いする。
樽で熟成中のワインは、破損、温度管理、不安定な状態などのリスクがあるため、プロ向けに海外に出されることはなかった。フランスがロックダウンしていたため、英米の一握りのジャーナリストやワイン商にだけサンプルが送られた。各国で制限の緩和が始まったのを受けて、主要な市場にサンプルボトルを送付しての試飲会が始まった。
東京の試飲会は、25日と26日に田崎真也ワインサロン(東京・愛宕)で、インポーター、ソムリエ、ジャーナリストを対象に行われる。約90本のワインが現地から空輸されてくる。新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、着席で距離を保つなどの衛生対策に配慮して限定された人数を招待しての開催となる。
規模を限定しての今年のプリムール試飲会の第一弾は、6月4、5日にボルドー市内の「グランド・ホテル・インターコンチネンタル」で、フランス国内のトレードやジャーナリスト向けに開かれた。例年はボルドーのイベント施設「ハンガー」に6000人以上の来場者を集めて開かれるが、今年は各部屋に2、3人のソムリエと8人のテイスターしか入らない厳格な体制で望み、2日間で450人が来場したという。
ボルドーに続いて、世界の重要な都市での試飲会が予定されている。香港が22日、チューリッヒが22日、ブリュッセルが22と23日、パリが23と24日、東京が25と26日、フランクフルトが29日、上海が29日。ロンドンと米国のサンフランシスコ、ニューヨークは当初、予定されていたが、ロックダウンが遅れたため実施されない。
2019プリムールは既に売出しが始まっている。世界の市況を反映して、ポンテ・カネやシュヴァル・ブランも2018より30%ダウンで売り出している。気温が高く乾燥した夏のおかげで、メドックは凝縮感と熟したタンニンを備える小粒のカベルネ・ソーヴィニヨンがとれた優良ヴィンテージとなった。
米国がアルコール度14%以下のスティルワインに課した25%の関税や中国市場の減速、世界不況など、難しい条件を抱えているが、ポンテ・カネが3時間で売り切れるなどプリムール商戦の出だしは好調だ。UGCBのロナン・ラボルド会長(シャトー・クリネCEO)は「2019年はプレゼンテーションするに値する」と語っている。
UGCBはシャトーの技術責任者らがワインを語る動画プレゼンテーションのページを開設して、情報の拡大に力を入れている。
東京の試飲会の問い合わせはボルドーワイン プリムール2019年試飲会事務局(株式会社サンティール内)へ。電話は03-3544-1235。
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