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「ライフ・イン・ザ・ファスト・レーン」（駆け足の人生）だよね」
隣のジェフ・クルスMS（マスター・ソムリエ）に話しかけると、ジェフが笑いながらうなずいた。
夕方からカベルネ漬け。15種の濃いカベルネを試飲した後に、
13種のカベルネが登場する生産者との夕食会。シルバー・オークの地下ホールで、ジョール・ルーカスが所有するスカイウォーカー・ランチの和牛を食べながらの会は、カベルネの香りでむせかえった。
近くにいたのが、ボンドの新支配人になったブレイク・ギルバートとオックスフォード大卒のアレックス・ハントMW（マスター・オブ・ワイン）。試飲のスピードが速いこと。30分足らずでハーラン・エステートやボンドを含む８アイテムを試飲した。一口しかふくまずに、残りは捨てるから、飲むというより試飲なのだ。
ためらいなく注いで、短時間で判断して、惜しげもなく捨てる。３人のプロの作業は機械のようだった。感情はなく、過去のデータベースと照合して、目の前の液体をジャッジしているだけ。そんな感じだった。世界で一握りのMSやMWのすごさを見た。
私の判断も大筋で違いはないのだが、スピード感が違う。スプリング・マウンテンのミラベル・アルバ・シュヴァリエ93を「熟成感と果実によらない造りがいい」と話すと、アレックスは「うん。オールド・ウェイヴだよね」とすかさず。
「ハーラン05は閉じているのかな？」と、姉妹ワイナリーのボンド支配人ブレイクにきくと、「この年はストラクチャーが硬くて、アンギュラーだ。でも開いているよ」と。勉強になる。普通の人間なら年に１度どころか、一生に１度のワインを、スーパーマーケットの試飲ワインのように判断しないと、彼らの領域にたどりつけないのだろう。
話はMSとMWの違いになった。ロスト＆ファウンドというピノノワールも造るジェフは「最後はサービスだ。ろくでもない文章しかかけないと、MWにはなれないが、サービスができればMSにはなれる」というと、ブレイクの右隣のアレックスは苦笑い。
ジェラール・バッセMWもスプリング・マウンテン93が「エレガント」とお気に入りだったが、アレックスやジェフらは若手だけあって、モダンなカルトワインを絶賛していた。ただ、ジェラールも夕食に先だつ試飲では、スポッツウッド、ダイアモンド・クリーク、ハーランがお気に入りだったとか。私はダイアモンド・クリークの火山性土壌に由来するミネラル感のとりこになった。リッジのモンテ・ベロ09ももちろん。
ダイアモンド・クリークのブーツ・ブランスタインとリッジのポール・ドレイパーが抱擁するさまは、カリフォルニアのカベルネの歴史を造ってきた巨人同士のきずなが感じられ、感動ものだった。いいものを見た。
試飲リスト
Cabs, Cabs and More Cabs! - Silver Oak Winery - seated tasting
2009 Ridge Monte Bello
2009 Corison Kronos Vineyard
2010 Spottswoode
2009 Stag's Leap Wine Cellars SLV
2010 Spring Mountain Elivette
2010 Continuum Red
2008 Silver Oak
2010 Quintessa
2009 Dunn
2009 Diamond Creek Red Rock Terrace
2009 Bond Pluribus
2009 Dalla Valle Maya
2009 Harlan
2009 Shafer Hillside Select
2007 Scarecrow
夕食会リスト
Dinner Silver Oak Winery
2012 Spottswoode Sauvignon Blanc
Silver Oak (No Tasting Notes)
2003 Corison Kronos Cabernet
2006 Bond
2010 Fey Stag's Leap Wine Cellars
2001 Shafer Hillside Select Cabernet (No Tech Sheet)
Harlan (With Bond Notes)
2011 The Prisoner
2003 Diamond Creek Volcanic Hill
2010 Beringer Private Reserve
2010 Scarecrow Mt. Etain
1993 Spring Mountain Cabernet
2002 Lytton Springs Zinfandel
隣のジェフ・クルスMS（マスター・ソムリエ）に話しかけると、ジェフが笑いながらうなずいた。
夕方からカベルネ漬け。15種の濃いカベルネを試飲した後に、
13種のカベルネが登場する生産者との夕食会。シルバー・オークの地下ホールで、ジョール・ルーカスが所有するスカイウォーカー・ランチの和牛を食べながらの会は、カベルネの香りでむせかえった。
近くにいたのが、ボンドの新支配人になったブレイク・ギルバートとオックスフォード大卒のアレックス・ハントMW（マスター・オブ・ワイン）。試飲のスピードが速いこと。30分足らずでハーラン・エステートやボンドを含む８アイテムを試飲した。一口しかふくまずに、残りは捨てるから、飲むというより試飲なのだ。
ためらいなく注いで、短時間で判断して、惜しげもなく捨てる。３人のプロの作業は機械のようだった。感情はなく、過去のデータベースと照合して、目の前の液体をジャッジしているだけ。そんな感じだった。世界で一握りのMSやMWのすごさを見た。
私の判断も大筋で違いはないのだが、スピード感が違う。スプリング・マウンテンのミラベル・アルバ・シュヴァリエ93を「熟成感と果実によらない造りがいい」と話すと、アレックスは「うん。オールド・ウェイヴだよね」とすかさず。
「ハーラン05は閉じているのかな？」と、姉妹ワイナリーのボンド支配人ブレイクにきくと、「この年はストラクチャーが硬くて、アンギュラーだ。でも開いているよ」と。勉強になる。普通の人間なら年に１度どころか、一生に１度のワインを、スーパーマーケットの試飲ワインのように判断しないと、彼らの領域にたどりつけないのだろう。
話はMSとMWの違いになった。ロスト＆ファウンドというピノノワールも造るジェフは「最後はサービスだ。ろくでもない文章しかかけないと、MWにはなれないが、サービスができればMSにはなれる」というと、ブレイクの右隣のアレックスは苦笑い。
ジェラール・バッセMWもスプリング・マウンテン93が「エレガント」とお気に入りだったが、アレックスやジェフらは若手だけあって、モダンなカルトワインを絶賛していた。ただ、ジェラールも夕食に先だつ試飲では、スポッツウッド、ダイアモンド・クリーク、ハーランがお気に入りだったとか。私はダイアモンド・クリークの火山性土壌に由来するミネラル感のとりこになった。リッジのモンテ・ベロ09ももちろん。
ダイアモンド・クリークのブーツ・ブランスタインとリッジのポール・ドレイパーが抱擁するさまは、カリフォルニアのカベルネの歴史を造ってきた巨人同士のきずなが感じられ、感動ものだった。いいものを見た。
試飲リスト
Cabs, Cabs and More Cabs! - Silver Oak Winery - seated tasting
2009 Ridge Monte Bello
2009 Corison Kronos Vineyard
2010 Spottswoode
2009 Stag's Leap Wine Cellars SLV
2010 Spring Mountain Elivette
2010 Continuum Red
2008 Silver Oak
2010 Quintessa
2009 Dunn
2009 Diamond Creek Red Rock Terrace
2009 Bond Pluribus
2009 Dalla Valle Maya
2009 Harlan
2009 Shafer Hillside Select
2007 Scarecrow
夕食会リスト
Dinner Silver Oak Winery
2012 Spottswoode Sauvignon Blanc
Silver Oak (No Tasting Notes)
2003 Corison Kronos Cabernet
2006 Bond
2010 Fey Stag's Leap Wine Cellars
2001 Shafer Hillside Select Cabernet (No Tech Sheet)
Harlan (With Bond Notes)
2011 The Prisoner
2003 Diamond Creek Volcanic Hill
2010 Beringer Private Reserve
2010 Scarecrow Mt. Etain
1993 Spring Mountain Cabernet
2002 Lytton Springs Zinfandel
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