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オリヴィエ・クザンに罰金、AOC規則違反で

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 ロワール地方アンジュの自然派生産者オリヴィエ・クザン氏が、アペラシヨン規則を破って不正なラベル表示をした罪で、5000ユーロの罰金を検察当局から求められた。

 クザン氏は2005年に「Anjou 」(アンジュ)のアペラシヨンを離脱して、ヴァン・ド・フランス(ヴァン・ド・ターブル)のカテゴリーでカベルネ・フラン100%のワインを生産してきた。今回の訴訟では、アンジュのアペラシヨン表示と誤解させる「Anjou Pur Breton」(アンジュ・ピュル・ブレトン)とラベルに表示したうえ、「アペラシヨン・オリヴィエ・クザン」というからかい半分の表記も載せた点が罪に問われた。問題の約2800本に各20セントの罰金も課される。

 クザン氏はアンジュのマルティヌ・ブリアン村で4・5ヘクタールの畑から、ビオディナミでガメイやカベルネ・フラン、シュナン・ブランなどを生産。デメテールの認証も得ている。アンジュでヴィニュロンとしての長い歴史を持つクザン氏は、農薬や化学薬品を使う工業的なワイン生産が進むことに不満を抱いてきた。補糖と補酸を同時に行うことが認められたのをきっかけに、2005年にアペラシヨンを離脱。INAOのアペラシヨン・コントロールの下で造られる産業的なワインに抗議を表明するため、ラベルに「アンジュ」の文字を残した。クザンのワインは、世界のトップレストランであるコペンハーゲンの「ノーマ」にもオンリストされている。

 5日に開かれたアンジュの法廷で、INAOは「クザン氏が騒動を利用して利益を上げた」と主張したのに対し、クザン氏側の弁護士は「だれも誤解させておらず、消費者の求める情報を与えている」と反論した。

 法廷の外には、約200人の支持者が集まり、クザン氏が飼っている馬も登場。クザン氏は「今回の訴訟が問題提起し、工業的なワイン造りと職人的なワイン造りがあることに光を当てた」と述べた。

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