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英国のワイン評論家でオークショニアのマイケル・ブロードベントMWが17日夜、亡くなった。92歳だった。
1927年生まれ。ブロードベントはワイン商で働いた後、1960年にマスター・オブ・ワインを取得。66年に英国のオークションハウス「クリスティーズ」のワイン部門のディレクターに就任した。古酒を含む多くのレアワインを紹介した高級ワインオークショニアの先駆者。フィロキセラ以前のボルドーなど多くのワインを試飲し、ワイン鑑定家としての地位を確立した。
長年かけて主要産地のワインを試飲し、5つ星で評価した。1960年代から、ワインテイスティングの解説書や、19-20世紀のヨーロッパやカリフォルニアの高級ヴィンテージワインの評価本などを発表し、プロや愛好家に試飲の指標を提供した。「マイケル・ブロードベントのワインテースティング」など、一部は日本語でも出版されている。
ライターとしても活躍し、英国のデカンター誌などワイン誌に寄稿し、知られざるワインを紹介した。1993年にデカンターのマン・オブ・ザ・イヤーを受賞した。2006年には「パリスの審判」の30周年試飲会にテイスターとして参加した。息子のバーソロミュー・ブロードベントは米国で、ワイン・インポーターとして活躍している。
真贋論争がニュースになった「ラフィット1787」トマス・ジェフーソンボトルは、ブロードベントMWが鑑定してクリスティーズに出品した。その騒動を扱った書籍「The Billionaire’s Vinegar」(邦訳・世界一高いワイン「ジェファーソン・ボトル」の酔えない事情)が、ワイン収集家の故ハーディ・ローデンストックの発掘したジェフーソンボトルのプロヴェナンスに疑問を呈した。このため、ブロードベントは出版社を提訴し、最終的にブロードベントが勝訴した。
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