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フランス人醸造家が多数のパーカーポイント100点ワインを世に出している、カリフォルニア・ソノマの「ヴェリテ」のワインメーカー、ピエール・セイヤン氏が来日し、ソノマ伝説のレストラン「サイラス」の料理と合わせるディナーが、3日、東京・麻布台のアメリカンクラブで行われた。
ヴェリテは、ジャクソン・ファミリー・ワインズのフラッグシップとなるブランド。総帥ジェス・ジャクソン氏が、1990年代半ばに、フランスで40年以上ワインを造ってきたセイヤン氏と知り合い、カリフォルニアに呼び寄せた。セイヤン氏はアルマニャック出身。ロワールのソミュール・シャンピニからボルドーに移り、7シャトーを渡り歩いた。現在もサンテミリオンのシャトー・ラセーグとトスカーナ州のアーケイナムを手がける。
ヴェリテはフランス語で「真実」の意味。ソノマ郡のアレクサンダー・ヴァレー、ナイツ・ヴァレー、ベネット・ヴァレー、チョーク・ヒルに自社畑を所有。火山性土壌がベースだが、アレクサンダー・ヴァレーは岩、ナイツヴァレーは砂利、ベネット・ヴァレーは粘土が混じるなど微妙に異なる。それらの畑から、メルロー主体の「ラ・ミーズ」、カベルネ・ソーヴィニヨン主体の「ラ・ジョワ」、カベルネ・フラン主体の「ル・ジョワ」を生産する。1998年にデビュー。2007年に3種すべてが、ソノマのワインとして初めてパーカーポイント100点を獲得し、有名になった。
試飲したのは、2010の3種すべてと、100点を獲得したラ・ジョワ2005、ラ・ミューズ2001の計5種類。ラ・ミューズ2010はメルロー85%、カベルネ・フラン13%、カベルネ・ソーヴィニヨン2%。柔らかいタンニン、きれいに抽出された果実、黒スグリ、プラム、炭の香り。アルコール度14・5%だが、既に近づきやすい。「ジェスにペトリュスに匹敵するワインを造ってくれと言われて造った。区画の多さはこちらが上」とセイヤン氏。
ラ・ジョワ2010はカベルネ・ソーヴィニヨン75%、メルロー14%、プティ・ヴェルド6%、カベルネ・フラン5%。アルコール度13・5%で、最もボルドー・メドックを感じさせるワインだった。抽出は強めだが、ココアパウダーのようなタンニン、キルシュ、杉、エスプレッソの香り。冷涼さにたられた2010年の性格がエレガンスを生んでいる。「ラトゥールやムートン・ロートシルトなどポイヤックをイメージしたワイン」と。
ル・デジール2010はカベルネ・フラン50%、メルロ40%、カベルネ・ソーヴィニヨン10%。カベルネ・フラン特有の目の詰まった硬さがあるが、スミレや花、フルーツケーキの香りがあり、テクスチャーは柔らかい。「20代のロワールでカベルネ・フランに恋をしてから、大好きな品種。サンテミリオンのシュヴァル・ブランやフィジャックを連想して欲しい」と。
ラ・ジョワ2005は、2010とは対照的に暑かった気候を映して、凝縮した味わい。開くのに時間がかかったが、スパイシーで、森の下草の香りも出ている。18か月間の熟成に使うフレンチオークの新樽比率は90%。「早く収穫した年だが、バランスはいい」と。ラ・ミューズ2001は、香りの花束に包まれたような長期熟成型だった。
「ソノマのテロワールは、ナパヴァレーとは微妙に異なり、太平洋の寒流と複雑な土壌の影響を直接に受けている。畑の多様性をワインに反映させている」というセイヤン氏のワインは、フランス人のせいか、マッチョなカリフォルニアワインとは一線を画す緊張感を秘めている。
今回はソノマで和食の影響を受けたフレンチで2つ星に輝いていた「サイラス」(2012年で閉店)のシェフ、ダグラス・キーン氏が来日し、ワインに合わせて和の食材を使った独創的な料理を供した。
問い合わせはJALUX(03・6367・8756)。
ヴェリテは、ジャクソン・ファミリー・ワインズのフラッグシップとなるブランド。総帥ジェス・ジャクソン氏が、1990年代半ばに、フランスで40年以上ワインを造ってきたセイヤン氏と知り合い、カリフォルニアに呼び寄せた。セイヤン氏はアルマニャック出身。ロワールのソミュール・シャンピニからボルドーに移り、7シャトーを渡り歩いた。現在もサンテミリオンのシャトー・ラセーグとトスカーナ州のアーケイナムを手がける。
ヴェリテはフランス語で「真実」の意味。ソノマ郡のアレクサンダー・ヴァレー、ナイツ・ヴァレー、ベネット・ヴァレー、チョーク・ヒルに自社畑を所有。火山性土壌がベースだが、アレクサンダー・ヴァレーは岩、ナイツヴァレーは砂利、ベネット・ヴァレーは粘土が混じるなど微妙に異なる。それらの畑から、メルロー主体の「ラ・ミーズ」、カベルネ・ソーヴィニヨン主体の「ラ・ジョワ」、カベルネ・フラン主体の「ル・ジョワ」を生産する。1998年にデビュー。2007年に3種すべてが、ソノマのワインとして初めてパーカーポイント100点を獲得し、有名になった。
試飲したのは、2010の3種すべてと、100点を獲得したラ・ジョワ2005、ラ・ミューズ2001の計5種類。ラ・ミューズ2010はメルロー85%、カベルネ・フラン13%、カベルネ・ソーヴィニヨン2%。柔らかいタンニン、きれいに抽出された果実、黒スグリ、プラム、炭の香り。アルコール度14・5%だが、既に近づきやすい。「ジェスにペトリュスに匹敵するワインを造ってくれと言われて造った。区画の多さはこちらが上」とセイヤン氏。
ラ・ジョワ2010はカベルネ・ソーヴィニヨン75%、メルロー14%、プティ・ヴェルド6%、カベルネ・フラン5%。アルコール度13・5%で、最もボルドー・メドックを感じさせるワインだった。抽出は強めだが、ココアパウダーのようなタンニン、キルシュ、杉、エスプレッソの香り。冷涼さにたられた2010年の性格がエレガンスを生んでいる。「ラトゥールやムートン・ロートシルトなどポイヤックをイメージしたワイン」と。
ル・デジール2010はカベルネ・フラン50%、メルロ40%、カベルネ・ソーヴィニヨン10%。カベルネ・フラン特有の目の詰まった硬さがあるが、スミレや花、フルーツケーキの香りがあり、テクスチャーは柔らかい。「20代のロワールでカベルネ・フランに恋をしてから、大好きな品種。サンテミリオンのシュヴァル・ブランやフィジャックを連想して欲しい」と。
ラ・ジョワ2005は、2010とは対照的に暑かった気候を映して、凝縮した味わい。開くのに時間がかかったが、スパイシーで、森の下草の香りも出ている。18か月間の熟成に使うフレンチオークの新樽比率は90%。「早く収穫した年だが、バランスはいい」と。ラ・ミューズ2001は、香りの花束に包まれたような長期熟成型だった。
「ソノマのテロワールは、ナパヴァレーとは微妙に異なり、太平洋の寒流と複雑な土壌の影響を直接に受けている。畑の多様性をワインに反映させている」というセイヤン氏のワインは、フランス人のせいか、マッチョなカリフォルニアワインとは一線を画す緊張感を秘めている。
今回はソノマで和食の影響を受けたフレンチで2つ星に輝いていた「サイラス」(2012年で閉店)のシェフ、ダグラス・キーン氏が来日し、ワインに合わせて和の食材を使った独創的な料理を供した。
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