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興味深いエピソード続出、トークイベント「なぜ日本でブルゴーニュが人気なのか」

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 「ブルゴーニュと日本をつないだサムライ」(イカロス出版)の出版に合わせて、エージェントの坂口功一さん(ソシエテ・サカグチ代表)とインポーター3社の幹部によるトークイベント「なぜ日本でブルゴーニュが人気なのか」が3日、「アカデミー・デュ・ヴァン青山校」で開かれました。


 司会はワインレポート代表の山本昭彦。スピーカーとして、坂口さんのほかに、AmZの松田豊・会長、ラック・コーポレーションの矢野映・専務取締役、中島董商店の布施真・海外担当部長の計4人が登壇し、50人を超す満員の聴衆の前で活発な意見交換をしました。


 ルイ・ラトゥールなどのネゴシアンが主体だった1980年代から、90年代に入ってドメーヌワインが登場し、日本が世界3位のブルゴーニュ輸入大国に成長した歴史を振り返る中で、興味深いエピソードが次々と飛び出しました。


 矢野さんは「今では入手困難なジョルジュ・ルーミエのACブルゴーニュですが、当初は人気がなく、社内販売で売られていました」と明かし、「90年は(ルソーやデュジャックも)バックヴィンテージがワインリストに載って来るほどで、今のように需要は多くなかったのです」と初期を振り返りました。3度来日した、世界最高の白ワインメーカーに選ばれたアンヌ・クロード・ルフレーヴについては「筋が通っていて、一度決めたら決して曲げない性格」と述べました。


 松田さんはローラン・ルモワスネと長い付き合い。居城にいった時の拷問部屋に驚いた話を披露しました。坂口さんは今でも、ルモワスネから蔵出しできそうな古酒があると必ず試飲して仕入れます。古酒鑑定については「日本に輸出してもおいしく飲める体力が残っているかどうかが重要」という基準を明かしました。


 日本に輸入はされませんでしたが、坂口さんと親交のあった”ブルゴーニュの神様”アンリ・ジャイエが薄暗い早朝から畑仕事をしていたエピソードも明かされ、参加者は興味津々。布施さんからは、ダヴィド・デュバンを引き合いに、オート・コートのような低く見られていたアペラシオンの品質が、温暖化や技術の革新で品質向上している現状が語られました。

 

 矢野さんは、品質向上の背景について「今の若い造り手はSNSや電話で連絡をとりあって、天機の変化への対応や病害対策を練り、新しい道具の評判なども話し合っている。昔は閉鎖的だった。それが昔より品質が上がっていることの一因では」と語りました。


 テーマとなった、日本でブルゴーニュの人気が出た理由については、繊細な味わいが日本人の味覚や和食にマッチしたという意見は、スピーカイーに共通していましたが、「複雑なモザイク状となっているテロワールが探究心豊かな日本人を刺激した」(坂口)との指摘もありました。


 「ドメーヌ・ルフレーヴ ピュリニー・モンラッシェ 2016」、「ドメーヌ・ダヴィド・デュバン ニュイ・サン・ジョルジュ 2014」、「ルモワスネ ヴォーヌ・ロマネ・プルミエクリュ・レ・ショーム 1979」を合間に試飲しながら、最後に4人に、「最も記憶に残るワイン」を挙げてもらいました。


 皆さん30年近いキャリアだけに、なかなか体験できないワインばかり。布施さんは「ルシアン・ル・モワンンヌ シャンベルタン・クロ・ドベーズ 2000」。矢野さんはシャルル・ルソーの自宅で飲んだ「アルマン・ルソー シャンベルタン 1928」、松田さんは「ルモワスネ モレ・サン・ドニ 1978」などを挙げました。


 坂口さんはさすがにきりがない。最近も垂直試飲で偉大さを再確認した「ジョセフ・ロティ シャルム・シャンベルタン 1985」、ジャック・セイスの2年目の作品「ドメーヌ・デュジャック クロ・ド・ラ・ロッシュ 1969」、千歌子夫人との思い出がにじむ「ロマネ・コンティ 1989」、ローラン・ルモワスネの個人コレクションだった「ルモワスネ ミュジニー 1928」、最後に、最近の垂直試飲で感動した「アルベール・グリヴォー ムルソー・クロ・デ・ペリエール 1928」を挙げました。ブルゴーニュに根を張った半生を象徴するようなワインばかりでした。

 

 坂口さんの「ほかの国でもピノ・ノワールとシャルドネは生産されているが、ブルゴーニュにはグランクリュとプルミエクリュのような格付けがあり、テロワールを映したワインを造っている。価格が高騰しても、永遠に求められ続けるでしょう」という話で2時間のイベントは締めくくられました。

左から、AmZの松田豊・会長、ソシエテ・サカグチの坂口功一・代表、山本昭彦、ラック・コーポレーションの矢野映・専務取締役、中島董商店の布施真・海外担当部長

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