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英国のワイン評論家ジャンシス・ロビンソンMWが開発した、様々なタイプのワインに対応させられる「ジャンシス・ロビンソン・グラス」が、日本で発売された。
この無鉛クリスタルグラスは香りの開きが早く、ニュートラル品種からアロマティック品種まで多彩なワインに対応できるのが特色。ジャンシスが2017年夏、英国のプロダクト・デザイナーのリチャード・ブレンドンから、ワイングラスの開発を持ちかけられ、43年間の試飲経験に基づいて、汎用性の高いグラスを考案した。先端がすぼまっていて、アロマをため込める。食器棚やテーブルで場所を取りすぎないサイズ。唇のあたる縁がシルクのように薄く、それでいて食器洗浄機で使える。それらの条件を重視して、スロベニアの工房の職人が手吹きで生産した。
ジャンシスが率いる「パープル・ページ」のライターによるテストでも、好評を得て、2018年夏に米国のインポーターが販売を始めた。英米のソムリエやジャーナリストから良い評価を得た。カリフォルニア・サンタ・バーバラでドメーヌ・ド・ラ・コートを運営するソムリエのラジャ・パーは「すべてのワインを1つのグラスでまかなうというアイデアが気に入った。お気に入りだ」とコメント。ジャンシスの幼馴染の女性は「いつも飲むピノ・ノワールがおいしくなった」と感想を寄せたという。
グラスのサイズは一般家庭でも大きすぎない程度で、手触りもよく、見た目は高級感がある。飲み口は薄い。ボウルの部分にエッジがないので、回した時に気持ちよい。イングリッシュ・スパークリングワインを少量注いで回したところ、予想以上に柑橘系果実、ほろ苦み、塩気のニュアンスがすぐにたちあがった。
日本の導入に際しては、交友の深い大橋健一MWが相談に乗り、ソムリエ/ワインテイスターの大越基裕さんがブランドアンバサダーを務めている。大橋MWは「都心を例にとるとテナント代が高い。品種やワイン別にグラスをそろえないですめばスペースにかけるコストが節約できる。1種の扱いなら、アルバイトや経験の浅いスタッフも慣れやすく、サービス品質を均一化できる」とマーケティング的な利点を語った。
また、大越さんは「バルーン型は香りが広がりすぎる傾向があるが、これなら甲州ワインや繊細なお茶にも適している。精度の高いペアリングは、短時間でアロマを引き出す必要があるが、適度なサイズなので理想的に開く。レストランは1脚で統一することによる経済効果が大きい」と語った。
「ザ・ジャンシス・ロビンソン ワイングラス」は6500円(希望小売価格)。「ウォーターグラス」(5000円)、「ヤングワイン デキャンタ」(1万8000円)、「オールドワイン デキャンタ」(2万2000円)、「ウォーター カラフェ」(1万7000円)もそろえている。
輸入元はモトックス。
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