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「緑のワイン」を意味するヴィーニョ・ヴェルデ。ポルトガル北西部から生まれるワインが、海外輸出に力を入れている。微発泡の白ワインで人気の産地の魅力を現地で探った。
ヴィーニョ・ヴェルデ地域の栽培面積は2万1000ha。西側は大西洋に面し、内陸部の東側はペネダ山、ジェレス山、カブレイ山が連なる。ボルトガル全体の栽培面積の約15%を占める。1万8000の農家と600のワイナリーがある。年間生産は930万hlで86%が白ワイン。ヴィーニョ・ヴェルデ委員会が2004年から海外プロモーションを始めた。生産量の約45%を100か国以上に輸出する。
代表的な品種はロウレイロ、アリント、トラジャドゥーラ。伝統的にこの3種がブレンドされる。主要品種のロウレイロは、ヴィーニョ・ヴェルデ全域で栽培されている。アルコール度が低く、9月半ばから終わりに収穫される。アリントはブドウの粒が密集しているので、風通しに注意が必要な品種。酸が高く、さわやかさを与える。トラジャドゥーラは灰かびがつきやすく、醸造も注意が必要な品種である。酸度が低く、アロマや柔らかさを加える。
ヴィーニョ・ヴェルデは本来、赤ワイン産地だった。瓶内で自然に二次発酵を起こし、軽い微発泡を帯びた白ワインが人気を集めたため、白ワインにシフトした。意図的に糖分を加えて二次発酵させていたものが、現在は二酸化炭素を添加するのが主流となった。微発泡の赤ワインも冷やして楽しまれている。ボトリング前にガスを添加し、アルコールは9-12.5%と低く抑えられている。残糖は7-8g/L前後。ガス圧は0.7気圧前後で、アルコールが高いものはバランスを取るためにガス圧を低めに調整する。
ヴィーニョ・ヴェルデでは47品種が認可され、単一品種の醸造、瓶内二次発酵のスパークリング、ロゼ、赤とスタイルは様々。9つのサブリージョンによる気候の違いもあり、多様性がある。
「アデガ・ド・ギマランシュ」は、ポルトから北東に60kmのギマランシュ県に位置する協同組合。100の農家からブドウを購入している。最も高価なブドウには、キロ当たり1ユーロの値がつく。農家と情報交換し、収穫の時期も指示を出している。品質でブドウの買い取り価格を決めるため、農家同士で競い合っている。最大の問題はべと病で、オウトウショウジョウバエ(Drosophila suzukii)もブルーベリーの被害が出ているので警戒している。
300haの畑から6000hlを醸造、30%を瓶詰めし、70%をバルクワインとして国内向けに出荷する。輸出量が多いのは、ドイツ、フランス、ポーランド、ブラジルときて、日本は5番目の輸出先。ヴィーニョ・ヴェルデはイタリアのプロセッコを彷彿とさせるアロマティックな香りと、残糖によるほのかな甘み、価格などの点からプロセッコの次に来る可能性を感じる。
「アデガ・ド・ギマランシュ ヴィーニョ・ヴェルデ 2017」(Adega de Guimaraes Vinho Verde 2017) は華やかな白い花の香りが広がる。甘やかな洋ナシや白桃、軽やかで、フレッシュな酸が口中に広がる。 伝統料理のパステイシュ・デ・バカリャウ(タラのコロッケ)など魚介料理と合わせた。ポルトガルは日本より魚介類の消費量がはるかに多い。特にイワシが有名で、炭火でグリルされる。甲殻類は唐辛子を入れて塩ゆでするのが定番。ほのかに辛い甲殻類とヴィーニョ・ヴェルデのピチピチした食感、わずかな残糖のバランスがよかった。輸入元はメルカード・ポルトガル。
輸出にフォーカスした新しいスタイルのワイナリーが「グワポシュ・ワイン・プロジェクト」。2016年に設立された。ポルトにある1軒のレストラン以外はすべて輸出する。一番の輸出先が日本だ。自社畑4haと決まった農家5軒の畑を合わせて合計20ha 。生産本数は5万本。
自社畑は内陸のサブリージョン、アマランテに位置する。標高400mに広がり、昼夜の気温差が大きい。自社栽培はアリントとアザールの2品種のみ。夏場の最も暑い時は気温が40度に達するが、夜は12-14度まで下がる。アマランテの主要品種はアザール。繊細で、べと病、うどんこ病にかかりやすい。そのため、有機栽培が進んでいない。難しい。ヴィーニョ・ヴェルデ全体の平均収量は5t/haだが、有機栽培にすると4分の1から5分の1に減るという。
「グワポシュ・ワイン・プロジェクト アルディナ・ブランコ ヴィーニョ・ヴェルデ 2017」(Guapos Wine Project Ardina blanco Vinho Verde 2017)は、アリントとアザールが半々。アロマティックで、洋ナシ、白桃、残糖が10g/Lとは思えないほど酸とのバランスが良い。みずみずしく、フレッシュで、わずかにガスを感じる。輸入元はオルヴォー。
ポルトガルも日本食ブームで寿司の人気が高まっている。寿司との相性は良いという。ポルトガルではメインの付け合わせに必ずお米がつけあわせとして出る。魚介類とお米をよく食べる産地のワインと和食の組み合わせは非常にイメージしやすい
ヴィーニョ・ヴェルデ地域の栽培面積は2万1000ha。西側は大西洋に面し、内陸部の東側はペネダ山、ジェレス山、カブレイ山が連なる。ボルトガル全体の栽培面積の約15%を占める。1万8000の農家と600のワイナリーがある。年間生産は930万hlで86%が白ワイン。ヴィーニョ・ヴェルデ委員会が2004年から海外プロモーションを始めた。生産量の約45%を100か国以上に輸出する。
代表的な品種はロウレイロ、アリント、トラジャドゥーラ。伝統的にこの3種がブレンドされる。主要品種のロウレイロは、ヴィーニョ・ヴェルデ全域で栽培されている。アルコール度が低く、9月半ばから終わりに収穫される。アリントはブドウの粒が密集しているので、風通しに注意が必要な品種。酸が高く、さわやかさを与える。トラジャドゥーラは灰かびがつきやすく、醸造も注意が必要な品種である。酸度が低く、アロマや柔らかさを加える。
ヴィーニョ・ヴェルデは本来、赤ワイン産地だった。瓶内で自然に二次発酵を起こし、軽い微発泡を帯びた白ワインが人気を集めたため、白ワインにシフトした。意図的に糖分を加えて二次発酵させていたものが、現在は二酸化炭素を添加するのが主流となった。微発泡の赤ワインも冷やして楽しまれている。ボトリング前にガスを添加し、アルコールは9-12.5%と低く抑えられている。残糖は7-8g/L前後。ガス圧は0.7気圧前後で、アルコールが高いものはバランスを取るためにガス圧を低めに調整する。
ヴィーニョ・ヴェルデでは47品種が認可され、単一品種の醸造、瓶内二次発酵のスパークリング、ロゼ、赤とスタイルは様々。9つのサブリージョンによる気候の違いもあり、多様性がある。
「アデガ・ド・ギマランシュ」は、ポルトから北東に60kmのギマランシュ県に位置する協同組合。100の農家からブドウを購入している。最も高価なブドウには、キロ当たり1ユーロの値がつく。農家と情報交換し、収穫の時期も指示を出している。品質でブドウの買い取り価格を決めるため、農家同士で競い合っている。最大の問題はべと病で、オウトウショウジョウバエ(Drosophila suzukii)もブルーベリーの被害が出ているので警戒している。
300haの畑から6000hlを醸造、30%を瓶詰めし、70%をバルクワインとして国内向けに出荷する。輸出量が多いのは、ドイツ、フランス、ポーランド、ブラジルときて、日本は5番目の輸出先。ヴィーニョ・ヴェルデはイタリアのプロセッコを彷彿とさせるアロマティックな香りと、残糖によるほのかな甘み、価格などの点からプロセッコの次に来る可能性を感じる。
「アデガ・ド・ギマランシュ ヴィーニョ・ヴェルデ 2017」(Adega de Guimaraes Vinho Verde 2017) は華やかな白い花の香りが広がる。甘やかな洋ナシや白桃、軽やかで、フレッシュな酸が口中に広がる。 伝統料理のパステイシュ・デ・バカリャウ(タラのコロッケ)など魚介料理と合わせた。ポルトガルは日本より魚介類の消費量がはるかに多い。特にイワシが有名で、炭火でグリルされる。甲殻類は唐辛子を入れて塩ゆでするのが定番。ほのかに辛い甲殻類とヴィーニョ・ヴェルデのピチピチした食感、わずかな残糖のバランスがよかった。輸入元はメルカード・ポルトガル。
輸出にフォーカスした新しいスタイルのワイナリーが「グワポシュ・ワイン・プロジェクト」。2016年に設立された。ポルトにある1軒のレストラン以外はすべて輸出する。一番の輸出先が日本だ。自社畑4haと決まった農家5軒の畑を合わせて合計20ha 。生産本数は5万本。
自社畑は内陸のサブリージョン、アマランテに位置する。標高400mに広がり、昼夜の気温差が大きい。自社栽培はアリントとアザールの2品種のみ。夏場の最も暑い時は気温が40度に達するが、夜は12-14度まで下がる。アマランテの主要品種はアザール。繊細で、べと病、うどんこ病にかかりやすい。そのため、有機栽培が進んでいない。難しい。ヴィーニョ・ヴェルデ全体の平均収量は5t/haだが、有機栽培にすると4分の1から5分の1に減るという。
「グワポシュ・ワイン・プロジェクト アルディナ・ブランコ ヴィーニョ・ヴェルデ 2017」(Guapos Wine Project Ardina blanco Vinho Verde 2017)は、アリントとアザールが半々。アロマティックで、洋ナシ、白桃、残糖が10g/Lとは思えないほど酸とのバランスが良い。みずみずしく、フレッシュで、わずかにガスを感じる。輸入元はオルヴォー。
ポルトガルも日本食ブームで寿司の人気が高まっている。寿司との相性は良いという。ポルトガルではメインの付け合わせに必ずお米がつけあわせとして出る。魚介類とお米をよく食べる産地のワインと和食の組み合わせは非常にイメージしやすい
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