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ダークホースのシャルル・エドシックに昂ぶる

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 私のカンは間違っていなかった。シャルル・エドシックを日本人は知らなさ過ぎる。

 先日、英国のシャンパーニュ評論家トム・スティーブンソンMWが、過小評価されているメゾンの一つにシャルル・エドシックをあげた。エドシック・モノポール、ピペ・エドシックに比べると知名度は低いが、昔から3つのエドシックの中で最も高品質といわれてきた。

 2002年に亡くなった醸造責任者ダニエル・ティボーが原動力だ。1997年に早くも、セラーで熟成を始めた日を表示する決断をした。ティヴォーのアシスタントから醸造責任者になったレジス・カミュが先日、来日した際に「かつてはピペとシャルルの両方を見ていたが、今は全体を見る立場になり、シャルルはティエリー・ロゼが専念している」と話していた。その結果、ピペの品質も上がった。

 2011年にレミー・コワントローが、JMウェストンなどを所有するフランスのラグジュアリー・ブランド企業EPIに売却し、セシル・ボネフォンがCEOになったのも品質を後押ししている。セシルはヴーヴ・クリコCEO時代に何度も会ったが、有能な経営者だった。ヴーヴの大量生産なのに高品質という路線を定着させた。

 シャルルの最近のボトルはすべていいが、今回飲んだのは、ティヴォー時代の作品。プレスティージュキュヴェのブラン・ド・ミレネール1995。クラマン、メニル、オジェ、アヴィーズ、ヴェルテュのシャルドネをブレンドしたブラン・ド・ブランだ。83、85、90に次いで4番目のヴィンテージ。これが現行ヴィンテージだから恐れ入る。普通のメゾンは05や06をヴィンテージとして出しているのだから。

 クリーミィでフルボディ。絹のようにしなやか。白トリュフの香り。フィネスとエレガンスの固まりだ。これが1万5000円。ヴァリューだ。この値段で、これだけ熟成感があって、洗練されているブラン・ド・ブランは思いつかない。新しい著書が完成したお祝いの席だったが、開けてよかった。焼き手の和田利弘さんに1杯だけ差し上げたら、鶏を焼く手を休めて「すごくおいしい」と言いに来たほどだ。

(2013年12月 東京・銀座の焼き鳥「バードランド」で)
シャルル・エドシック ブラン・ド・ミレネール 1995
購入:楽天市場で15000円
月に一度は飲みたい度:95点

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