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難関の「アクサ・ミレジム・スカラシップ」、MW研修生の小原陽子さんが受賞

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 マスター・オブ・ワイン協会とアクサ・ミレジムは7日、2018年の「アクサ・ミレジム・スカラシップ」を受賞した5人のMW研修生を発表した。論文審査で決める難しいスカラシップに、日本から小原陽子さんが選ばれた。
 アクサ・ミレジムはフランスの保険企業アクサのワイン部門で、ピション・バロン、ピブラン、スデュイロー、プティ・ヴィラージュなどボルドーのシャトーのほか、ポルトガルのキンタ・ド・ノヴァルを所有する。10年目を迎えるこのスカラシップは、MWスタディ・プログラムのステージ2の研修生が対象で、アクサ・ミレジムが設定したテーマについて書いた論文を審査する。
 今回のテーマは、ワインブランドを構築する上でカギとなる消費者とのコミュニケーション。ソーシャルメディアについて、実例を挙げて、伝統的な戦略と比較し、ブランドを構築する手法を提案するというもの。
 小原さんはMWスタディ・プログラム2年目のステージ2に入っている。ステージ2を終えると受験できる。ワインスクール講師でワイン通訳・翻訳者。ジャンシス・ロビンソンの記事を日本語で紹介するウェブサイト「ヴィニクエストhttp://vinicuest.com/を運営している。
 論文のタイトルは「ワインブランド確立のためのソーシャルメディア戦略」(Strategies to Use Social Media for Brand Building)。世界中の成功・失敗例を集めて市場調査からブランドの確立、拡充、ロイヤルカスタマーの獲得までSNSをどのように利用すべきか、長所と短所を交えて書いた。日本でしか教育を受けたことがなく、英文でのエッセイライティングには苦労してきたという。
 「嬉しかったというよりも驚いたのが正直なところ。WSETのDiplomaのときに、英文エッセイについて悩み、乗り越えてよいスコアで合格したにもかかわらず、MWコースに入るとエッセイの宿題では不合格の連続でした。最近は少しずつ合格点をもらえるようになってきましたが、スカラシップは試験と違って「私の第一言語は英語ではありません」と書く欄はなく、その点の考慮はありません。受かるわけないと思いながら提出していたのが正直なところ。受賞が大きな自信をもたらしてくれたのは確かです。ただ、MWの試験は1時間で今回レベルのエッセイを書かなくてはなりません。この経験をもとに試験への戦略をしっかりと練らなくてはと思っています。一歩ずつ、少なくとも進んではいますが、まだまだ道は長いです」
 MW協会を長年サポートするアクサ・ミレジムのクリスチャン・シーリー社長は「スカラシップの一般的な基準は極めて高い。5人だけ選ぶより10人の方が簡単。審査基準は分析の明確さ、すなわち適切な例示、実際に推奨する手法の品質だ」とコメントした。
 5人の受賞者のうち残る4人は、カナダのJacqueline Cole-Blisson 、米国のDaphne Feng、英国のJulian KirkとRegine Lee。ピション・バロンに滞在し、ボルドーの所有シャトーを回り、ポルトのキンタ・ド・ノヴァルも訪問する。

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