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デュガ・ピィの飲み頃98シャルム・シャンベルタン

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 ブルゴーニュの1998年赤ワインは、そろそろ飲み頃に入ってきたようだ。

 デュガ・ピィのシャルム・シャンベルタンを開けて思った。デュガ・ピィのワインで飲み頃に差し掛かっていたのはこれが初めて。

 砕いた岩のようなミネラル感がいつもあり、それが硬さを感じさせるが、今回は最初から開いていた。タンニンはなめらかで、継ぎ目がない。ローストしたコーヒー豆、熟成したエポワスのような香りがあり、2時間ほどの間にアジアのスパイスや皮革の香りに発展した。素晴らしい。久しぶりにデュガ・ピィの世界に浸った。

 デュガ・ピィで入手しやすいグランクリュといえば、シャルム・シャンベルタンになるだろう。マジ・シャンベルタンとマゾワイエール・シャンベルタンもあるが、フランスでもめったに見かけない。1樽しか存在しないシャンベルタンは見たことがない。

 ドメーヌでは、私の生まれ年の61年を飲ませてもらったが、素晴らしい出来だった。父ピエールの時代の作品だろうが、当時から優れていたのだ。それを買い付けていたメゾン・ルロワの眼力もたいしたものだが。ドメーヌ・ボトリングは89年からだから、ここの古いボトルを探すのはほとんど不可能に近い。

 シャルム・シャンベルタンはわずか0・47ヘクタール。98年は96年よりも抽出が弱くなっている印象を受けた。ちょうど過渡期にあるのだろう。シャルムはシャンベルタン系のグランクリュではひ弱な印象をもたれているが、デュガ・ピィに限ってはそんなことはない。確かに、優雅な魅力があるのだが、壮大なスケールも併せ持っている。

 マゾワイエール・シャンベルタンはシャルム・シャンベルタンを名乗ることもできるが、デュガ・ピィは両者を別に醸造している。試飲の順番はマゾワイエールの方が後になり、ベルナール・デュガの評価もより高い。

 東京・四谷のメゾン・カシュ・カシュでビストロ料理と合わせた。季節のウズラや鹿のグラタンとはとても良かった。

(2013年12月 東京・四谷の「メゾン・カシュ・カシュ」で)
ドメーヌ・ベルナール・デュガ・ピィ シャルム・シャンベルタン 1998
購入:楽天市場内のショップで2万円
年に一度は飲みたい度:94点

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