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伝統派ドメーヌ・デュ・ペゴーのローレンス来日

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 ローヌ南部シャトー・ヌフ・デュ・パプの伝統派ドメーヌ・デュ・ペゴーを取り仕切るローレンス・フェローが来日した。

 フェロー家はシャトーヌフで17世紀からの歴史を誇る。1987年にローレンスと父ポールがドメーヌ・デュ・ペゴーを設立。一族経営から分離して、親娘で信じる道を進み始めた。ペゴーはプロヴァンス地方の方言で、陶器のピッチャーをさす。ドメーヌ物はシャトー・ヌフのキュヴェ・レゼルヴァ・ブラン(小売価格8000円)、キュヴェ・レゼルヴァ・ルージュ(同1万2000円)、高樹齢のキュヴェ・ダ・カポ(同6万5000円)のほか、白と赤のカジュアルラインがある。また、コート・デュ・ローヌ、ジゴンダス、シャトー・ヌフでネゴシアンのセレクション・ローレンスも展開する。

 ポールはアンリ・ボノーの高校の同級生で、大樽熟成の伝統的なスタイルを守る。大学を出たローレンスが当初はビジネス面を見ていたが、今は全体を仕切っている。キュヴェ・レゼルブ・ルージュ2010はワイン・スペクテイターの2013トップ100の7位に選出。キュヴェ・ダ・カポ2010はワイン・アドヴォケイトから100点を得た。

 ローレンスによると、シャトー・ヌフ・デュ・パプには370生産者がいて、ワイナリーは220社。10万ヘクトリットルのうち96%が赤ワイン向けで、ヘクタールあたりの最大収量は35ヘクトリットル。砂、粘土、丸い石が表面をおおい、年間日照時間は2800時間。降雨量は670ミリ。時速60キロを超すミストラルが100日も吹く。

 ドメーヌの畑は、95%グルナッシュで石がおおう樹齢75年のエスコンデュード、13品種が植えられている樹齢100年以上のクラウ、08年に購入した樹齢70年以上の、石がおおうカバンヌ・ド・サンジャンがある。

 試飲したシャトー・ヌフのキュヴェ・レゼルヴァ・ブラン2012は、クレレット60%、グルナッシュ・ブラン20%、ルーサンヌとブールブラン各10%。ロウのような粘着感、アンズや熟した赤リンゴ、ハチミツの香り。「12年はなめらかで、しっかりしていて、チーズやチキンと合わせるのがおすすめ」と。

 キュヴェ・レゼルヴァ・ルージュ2010はグルナッシュ80%、シラー6%、ムールヴェドル4%、そのほか法定品種10%。ブルゴーニュを思わせる素朴でチャーミングなブラックベリーのジャム、生肉の香り、テクスチャーは柔らかく、丸くて長い。「レゼルヴァの上のキュヴェ、ローレンスは熟成が2年間長く、さらに柔らかくて飲みやすい」と。

 98年から始めたダ・カポの2010はグルナッシュ70%、シラー7%、ムールヴェドル3%、残り20%は法定品種のブレンド。樹齢70~100年の異なる土壌をブレンド。除梗せずにセメントタンクで発酵させる。50ヘクトリットルのフードルで18か月間の熟成。凝縮した巨大なワインで、いぶした栗、杉、焼いた牛肉など複雑な香り。力強い構造の中にハーモニーとバランスが宿っている。

 ローレンスは「祖父母の代からやり方は不変。混植する砂地土壌はブルゴーニュ的なエレガントな味わいで、石の覆う土壌はストラクチャーをもたらす。除梗はせず、全房発酵で、自然酵母しか使わずに、フードルで熟成する。「ダ・カポは13品種のシンフォニーを奏でるオーケストラのようなワイン。98、00、03、07、10年と造られた」と。

 問い合わせは中川ワイン。

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