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オスピス・ド・ボーヌ2022、2900万ユーロ売り上げて歴史的な大成功

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 ボーヌで20日に開かれた162回目となるオスピス・ド・ボーヌ2022のワインオークションは、昨年の倍以上の約2900万ユーロ(手数料抜き)の売上に達した。手数料を含めた総売上高は3129万ユーロ。歴史的な成功を収めた。


 ラジオ・フランスが運営するFranceinfoによると、オスピス・ド・ボーヌには802樽(ピエス)が出品され、2021年の1260万ユーロの2倍を上回る2897万ユーロ(手数料抜き)の売上高を記録した。1樽の平均価格は3万5974ユーロと前年を8%上回り、過去最高を記録した。

 

 1樽の平均価格から計算すると1本あたり約17万円。これを日本に輸入すると、手数料や関税が加わりかなりの高値となる。オスピスの価格は市場にも影響を与えるため、2021の不作と相まってブルゴーニュ値上がり傾向は続くとみられる。


 9月に亡くなったルイ・ファブリス・ラトゥールへオマージュを捧げたコルトン・ブレンドのチャリティ樽「Piece des Presidents」(大統領の樽)は、81万ユーロの新記録で落札された。


 ブシャール・ペール・エ・フィス社長のジル・ド・ラルズィエール・アンリオが65万ユーロの落札価格をつけて、ネゴシアン組合の「ユニオン・デ・メゾン・ド・ヴァン・ド・グランド・ブルゴーニュ」(Union des Maisons de Vins de Grande Bourgogne)の寄付11万ユーロとドルーアン家の5万ユーロで補完された。


 2021年のコルトン・ルナルドの80万ユーロを1万ユーロ上回った。アルベール・ビショー当主のアルベリック・ビショーとジョゼフ・ドルーアンCEOのフレデリック・ドルーアンはその後、目をうるませながら登壇した。売り上げはがんと闘う子どもたちを支援する2団体に寄付される。

 
 2021年が不作で349ピエスしか出品されなかった反動と、2022ヴィンテージが質も量も恵まれたこともあって、800人の参加者には外国人が目立った。


 2021年からホスピス・ド・ボーヌのオークションを主催するサザビーズ・フランスのディレクターは「ブルゴーニュワインの需要は増え続けている」と述べた。2021年のワイン全体の販売額は1億3200万ドルで、そのほぼ半分がブルゴーニュだという。


偉大な2022ヴィンテージの予感


 ブルゴーニュワイン委員会(CIVB)の収穫レポートによると、2022年の収量は豊かで、在庫を積み上げることができる。芽吹きが遅かったため、4月の霜からブドウ樹が守られた。水不足だったが、「6月の大雨と8月中旬の嵐のような雨に恵まれ、豊かで香り高く、バランスのとれた果汁を得ることができた」という。


 5月後半の開花は順調で、結実不良も少なかった。糖度も高いので、シャプタリゼーションは不要となる見込み。


 一部のクレマンの収穫は8月16日にゆっくりと始まり、コート・ド・ボーヌではスティルワイン用ブドウの摘み取りが8月20日から始まった。9月第3週にはコート・ド・ニュイ、オート・コート、シャブリの地域から最後の房が運び込まれた。「熟度の多様性、好天、予想外の量」により、収穫は数週間にわたって行われた。


 「ほぼすべてのブドウの糖度は終盤まで良好だったため、いつブドウを切るべきかは酸の含有量によって決定された。白も赤も収量は高く、一部の生産者は全房で醸造することになった」とレポートされている。


 CIVBのレポート動画はこちら 字幕設定で日本語、英語も見られる

 

Sotheby's / Micha Patault
(C) CIVB

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