世界の最新ワインニュースと試飲レポート

MENU

  1. トップ
  2. 記事一覧
  3. 新型コロナウイルスにこう対応した 「山仁」代表取締役の大橋健一MWに聞く

新型コロナウイルスにこう対応した 「山仁」代表取締役の大橋健一MWに聞く

  • FREE

 新型コロナウイルスに直面した酒販店は、知恵をこらして様々な対応をした。「(株)山仁」(宇都宮市) の代表取締役社長を務める大橋健一MWが、経営者として行った”危機対応”の実例を聞いた。同時に、パンデミックによって変貌するワイン市場の展望について、世界市場を見通すマスター・オブ・ワインがどう見ているのかも聞いた。


日本ソムリエ協会「Sommelier」175号掲載


求められる新しい価値の創出
多元化したビジネスモデル


 打撃を受けてまず、売り上げの減少を想定した損益分岐点を調査しました。その上で、社員にとっては非常に不安に感じるだろう当面の給与体系を明確に説明し、同時に今後のあるべき企業姿勢や会社の方向性を共有しています。事業の主軸は3つあります。


料飲店の助成金や酒販免許申請をサポート


 山仁は多くの料飲店を顧客に持っています。お客様の立場に立って、酒屋のあるべき姿を考えました。最も重要なのは、料飲店が保持する現預金をなるべく維持するお手伝いをすることです。そのための大きなオプションは3つと考えました。


①様々な融資の申請
②雇用調整助成金と持続化給付金の申請
③期限付き酒販免許の申請


これらの方法を役所に問い合わせて調査し、わかりやすい弊社オリジナルの小冊子にまとめました。多くの料飲店に配布し、円滑に進められるようサポートも行いました。


 さらに、酒販免許が降りた料飲店には、テイクアウトするワインや日本酒のポートフォリオの相談に乗り、テイクアウトのメニュー作成なども行いました。「何から何までありがとう。助かった」というお礼の言葉をいただくと嬉しいものです。


 そうした事例を社内でシェアすると、会社全体のモチベーションも向上します。お客様とのつながりの強化は、将来にとって大きな財産になります。「お客様の笑顔を見届ける」ことを目標としています。 


 次に、オフトレードの顧客への働きかけです。弊社では売上シェア的には高くないものの、市場に家飲みを楽しむ需要が存在するのは確かでした。そこを強化するために、既存の一般消費者顧客に「家飲みをサポートするための商品案内」を月刊誌として創刊し、送付し始めました。


 さらに、山仁公式オンラインショップも立ち上げています。IT知識のある社員の力を借りて、1か月で自社サイトを構築しました。


独自性のあるオンラインショップ構築


 オンラインショップはユーザー・フレンドリーな内容と運用を重視しています。すべての掲載ワインに関して、私自身のコメントを掲載しています。同時にSNSを重視して、Facebook、Instagram、Twitterの公式アカウントを通じて、更新された新着ワイン情報を発信しています。


 また「MW推奨のワインセット」に採用したワインについては、「大橋MWのワイン・インフォ」 というYouTube動画チャンネルを週に一度配信し、背景やセレクトした理由も紹介しています。マスター・オブ・ワインは試験では社会性や倫理観も求められるので、動画のメッセージも教育的な要素を意識しています。


 一方、サイトの構成で特徴的なのは、ワインを産地や品種でカテゴライせずに、消費者が求める「スタイル」で区分していることです。簡単に説明するならば、「ミネラリータイプ」の白、「滋味深いタイプ」の赤といった具合で、初心者が理解しやすい導線を心掛けています。スタイル別のワインリストは料飲業界では世界的な潮流になっています。


 社内に対しては、ダウンサイジングした事業規模に合わせた組織改革と、休職している社員への徹底した研修を行っています。私自身が講師となって、ワイン知識をビジネスに応用する講座を2日に1度の頻度で行います。

 

プロの料理が食卓に
生産者が消費者に直接発信


 今回のパンデミックは多くの教訓と課題をもたらしてくれました。料飲店がテイクアウトに力を入れたことで、家庭の食事の幅が広がりました。自宅の食卓が、プロの調理した料理を食べるハレの場になりうるのです。料飲店は、これまで以上に消費者にわざわざ外食しようと思わせるだけの付加価値の向上、そして新たな付加価値を創造する必要があると考えます。


 また、ワイナリーや酒蔵がウェビナーを行う流れも広がっています。生産者サイドが消費者にダイレクトにプロモーションする機会が広がっているのです。流通の中間にいる輸入商社や酒販店に求められる役割も、従来とは変わってきます。より明確に、次元を高めた施策が求められます。


 あらゆる業態にとって、アルコール飲料の種類や販売チャンネル、プロモーションなど様々な面で、多元化したビジネスモデルが求められる時代に入ったと言えるでしょう。

 

山仁公式オンラインショップ

ワインセレクトの理由や背景を紹介する「大橋MWのワイン・インフォ」はこちら

ワインセレクトの理由や背景を紹介する 「大橋MW のワイン・インフォ」
初心者が理解しやすい山仁オンラインショップ
Instagramでも発信

購読申込のご案内はこちら

会員登録(有料)されると会員様だけの記事が購読ができます。
世界の旬なワイン情報が集まっているので情報収集の時間も短縮できます!

Enjoy Wine Report!! 詳しくはこちら

TOP